アディクションから逃れる 町田康 『しらふで生きる: 大酒飲みの決断』

(2020年の24冊目)昨年Kさんと会ったときに知って読もうと思っていた本。1日平均3000円ぐらい酒に使ってた、という大酒飲みの作家がどうやって酒を辞めたのか、について書いた本っぽい感じなのだが、酒の辞め方については正直よくわかんない。っていうか、途中がめちゃくちゃダラダラしててダルかった。が、ところどころ面白い。

とくに以下の

酒を飲みたいというのは理屈ではなく、実際的な身体の欲求であるからで、意識レベルでの理論闘争に勝ったところで、実際にコンビニに行って黒霧島を買うのは身体であって、身体が飲んでしまってはどうしようもない。(P. 41)

という箇所はアディクションの状態をうまく言い表しているように思う。意思・意識でないところから湧き上がってくる欲望との戦い。自分も一時期、酒を辞めていた時期があったので、身体的なレベルで理解できる記述も多い。酒をやめるきっかけも、なんだかよくわからない感じで長々と書いているのだが、意味がない無意味、というか、無意味的な切断によって断酒しているところもちょっと今っぽかったり。

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