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新しい猫との出会い

「新しい猫が我が家にくるかもしれない」遠く離れた場所の母からそう連絡が来た。
色々思うことはあったがまず出てきた言葉は「そっか」だった。
「新しい猫」ってなんだろう。難しい。

早いものでモカが我が家を去って1年になる。
私も実家を出てあっという間に半年、弟はとっくに実家を出ている。
でも、何となく新しい猫を我が家に迎え入れるには抵抗があった。
抵抗感があるとはいえど、実家にいない私に最終的な決定権はない。
でも、新しい猫を迎え入れたことで「モカ」の存在が有耶無耶になってしまうのではないかと思って何となく受け入れるのが嫌だった。
我が家の猫はモカだけだったから。

またその数週間後親と話していると「そういえば昨日真っ白な子猫を拾う夢を見た。でも、夢の中であなたは「白い猫は好きじゃない」と言っていた」と。
私は猫が好きだ。茶トラも黒猫もサビ猫も三毛猫も「猫」だったら何でも好きだ。
きっとその夢は親の「猫を飼いたい気持ち」と「それを話した娘が何となく受け入れられてなかった記憶」がごっちゃになって脳が見せた夢だったのでは?と思う。

親は優しいので「猫を飼いたい」と言う気持ちを見せながらも私に「どうかな」と相談してくる。
でもこうやって任せて貰える決断は、優しいようで何となく残酷に感じる時もある。
でも、友達に相談した際に「親御さんも急にみんないなくなって寂しいんじゃないかな」と言われてハッとした事を思い出した。
自分はいつも見送られる側だったから気づかなかったけれど、「置いていかれる側」は寂しいのだと。
モカに置いて行かれた時はこの世の終わりくらい悲しかったではないか、その寂しさに気づいてしまったからにはもう目を背けられない。
しばらく考えてやっとの思いで「新しい猫が来てもいいんじゃない」と言えた。

私は猫が好きだ。
子どもの頃は圧倒的な犬派だったけれど、モカと過ごした12年の中で猫という生き物の可愛さにどっぷり浸かり、今や頭のてっぺんからつま先まで完全なる猫派だ。

きっと「猫を飼わないで」と言える選択肢もあったのかもしれない。
でも私は知っている。猫がどんな風にご飯を食べるか、家族が帰ってきた時に嬉しそうな顔や声で出迎えてくれるか、気分が良くなると寝転がってお腹をついつい出してしまうところ、眠そうな顔をしながら窓辺で日向ぼっこをするところ。
こんなに可愛いところを沢山知っているので、
「もう飼わない」という選択肢は選べなかった。

モカはヤキモチ妬いちゃうかな。
でも大丈夫、みんなには「モカのことも絶対に忘れないでね」って言ってあるから。
写真も家の至る所トイレにまで置いてあるし、愛が溢れるあまりにユニクロで家族お揃いで作ったモカTシャツもある。
だから絶対に忘れることはない。

次に我が家に来る子もモカと同じくらい沢山沢山
可愛がって愛してあげよう。
猫の可愛さを教えてくれてありがとう。

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