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【観た/2023年30本目】映画「神々の山嶺」観ました。


【感想】
「そこに山があるから」という、シンプルな言葉の持つ狂気!

まずストーリー。
実在の人物を丁寧に追ったとされる人物描写。
自然の過酷さ、残酷さを緩みなく、そのまま過酷に、残酷に。
登山とは、冒険とは此処まで困難なのか、此処まで危険なのか、そして此処まで蠱惑的なのかを描ききっています。
ストーリーの伏線回収もお見事。
申し分のないストーリー展開でした。

そして演出。
アニメーションによる極めてリアルな状況描写は素晴らしく当たり!
クライミングや氷上での緊迫感、空気が薄い中での意識混濁など、
アニメーションだからこそできる「限界超え」を絶妙のバランスで表現しています。
音の表現、例えば氷を削る音等、録音も超一流。
まさに目の前にアルプスの氷壁が、微かに見えるエベレストの頂があるかのよう。
緊張感も半端なく、とてもとても95分の映画だったとは思えない重厚感に仕上がっています。

さて。
「そこに山があるから。」(正確には「そこにエベレストがあるから」らしい)という、原始的すぎる欲求。
これは僕らの実生活の中にも形を変えながらきっと存在していて。
その「理由」なるものが純度を高めるとどこからか狂気に変わる、変わってしまう。
踏みとどまるのか、行ってしまうのか、多分行かなくとも生きてはいけるのだろうけれども。

自分の中にある価値観、欲求、内なる狂気を問いただせる作品であったように思います。

【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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