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最近の記事

【観た/2024年77本目】映画「ラストマイル 」観ました。

【観た/2024年77本目】映画「ラストマイル 」観ました。 【感想】 復讐すべきは会社か、さらにはその先か。 強欲という罪を問いただす社会派サスペンス。 まず脚本・ストーリー。 ドラマシリーズを全く未視聴でしたが問題なし。 スピンオフ感はおまけ程度、映画そのものとして骨格がしっかりとした、硬質な脚本。 ストーリーそのものにスピード感があり、台詞もエッジが効いている。 展開も時系列もめまぐるしいのに全く混乱しない。 まずは観客を退屈させない、 必ず物語に引きずり込んでやる

    • 【観た/2024年72本目】映画「ホールド・オーバーズ」観ました。

      【観た/2024年72本目】映画「ホールド・オーバーズ」観ました。 【感想】 クリスマス休暇に降り積もるのは孤独を癒やす友情だった。 誰しもが思い浮かぶ「あの頃」を見事に映し出した傑作。 まずストーリー、脚本。 「寄宿舎モノ」といえば「今を生きる」を想起してしまうし、類似的な面は拭えない、のですが。 主要テーマをベトナム戦争のという痛みを伴う時代背景を織り交ぜて描く手法は的確で明快。 基本的には会話劇なのだけれど語りすぎず、それでいて説明不足もない。 王道ストーリーなのに

      • 【観た/2024年70本目】映画「ベイビーわるきゅーれ・ナイスデイズ」観ました。

        【観た/2024年70本目】映画「ベイビーわるきゅーれ・ナイスデイズ」観ました。 【感想】 まだまだ、まだまだ、もっといける! ガールズアクションの頂を目撃せよ! まずストーリー、脚本。 二人の絶妙に緩い会話劇の要素はそのまま。 プラス俳優陣が増え、トルクが強くなった分も力み無く加速。 宮崎でバカンスついでにミッションをする、という設定も丁度良い塩梅。 味のある嫌味も健在の詞回し含め、完成度の高いストーリー、脚本です。 次に演出、演技。 ちさまひコンビの緩急の付け方は流

        • 【観た/2024年69本目】映画「侍タイムスリッパー」観ました。

          【観た/2024年69本目】映画「侍タイムスリッパー」観ました。 【感想】 正直に死ぬか、卑屈に生きるか。 時代が時代を斬る、見事な時代劇! まずは脚本、ストーリー。 とにもかくにも設定が絶妙!! タイムスリップものはもう完全に使い古されていて、新しさは難しいと思っていたのですが、、。 そこにあえての時代劇設定。 古さに古さをかぶせるという手法は完全に発明。 これには感服しました。 また、過去=江戸時代と現代=時代劇が廃れゆく日々の対比を台詞の軽妙さも必見。 非常によくで

        【観た/2024年77本目】映画「ラストマイル 」観ました。

          【観た/2024年66本目】映画「ありふれた教室」観ました。

          【観た/2024年66本目】映画「ありふれた教室」観ました。 【感想】 良心、使命感、理性。 どれもがありふれている「秩序のあやうさ」を見事にパッケージングした快作。 まずストーリー、脚本。 小さな、ありふれている、ただし見逃してはいられない「事件」。 この着想が実に白眉。 落としたインクが不規則に水面を汚してゆくように、じわりじわりと進行する。 徐々にテンポを上げて最後、加速の限界を振り切るような展開。 よくある、それこそ「ありふれた」話の領域をしっかり越える脚本でした

          【観た/2024年66本目】映画「ありふれた教室」観ました。

          【観た/2024年65本目】映画「愛に乱暴」観ました。

          【観た/2024年65本目】映画「愛に乱暴」観ました。 【感想】 丁寧で規則正しい生活を支えているのは、闇深き感情なのか、、、。 人間の性根を暴き出す怪作サスペンス。 まずストーリー、脚本。 主要キャストのもつキャラクターイメージに合わせた台詞廻し。 生活空間に描写を固定する。 会話劇としてはやや多めの台詞量なれど、冗長過ぎず。 といった感じで、こなれた脚本、言葉が入って気易い安心設計です。 次に演出演技。 江口のりこさん、感情のオンとオフをきっちりつけながら物語を牽

          【観た/2024年65本目】映画「愛に乱暴」観ました。

          【観た/2024年64本目】映画「きみの色」観ました。

          【観た/2024年64本目】映画「きみの色」観ました。 【感想】 「誰か」と「何か」を全力で。大人になってしまった僕らに贈る純度高めのジュブナイル。 まずストーリー、脚本。 ややオールドスクールにすら感じる舞台設定。 冷たい感情を抑え、飲み頃の紅茶のような温度感の言葉を紡ぐ、振り幅をあえて小さくした脚本。 この「狭さ」を巧みに活かし、台詞の一つ一つを粒立たせる。 台詞の数も多くも少なくもなく、自然。 素晴らしい脚本、こういうことだと感じさせてくれます。 そして演出、演技

          【観た/2024年64本目】映画「きみの色」観ました。

          【観た/2024年63本目】映画「箱男」観ました。

          【観た/2024年63本目】映画「箱男」観ました。 【感想】 孤独、孤立が描き出すもの、それは世界の本質か、それとも。 まずストーリー。 独特すぎる設定を、言葉数をあえて減らさず、多弁雄弁に脚本にインストール。 これだけでもかなりの難作業、、。 よくぞここまで、と感じます。 次に演出、映像。 これはクラシックとパンクが入り乱れる、独特な演出であり作画。 リズムとスピードが破綻するターンと、ゆったりとした台詞廻しのターンが繰り返され、 次第に観客を困惑の世界へ導く作り。

          【観た/2024年63本目】映画「箱男」観ました。

          【観た/2024年46本目】映画「ルックバック」観ました。

          【観た/2024年46本目】映画「ルックバック」観ました。 【感想】 こんなにも、こんなにも。終わらない青春、その純度に心抉られる、この夏最高の映画体験!!。 まずストーリー。 とりあえず原作を予習して劇場へ。 漫画の持つスピード感、ぎゅっと煮詰まった濃密さをどのように? と心配が先行していたのですがまあったくの杞憂。 あの藤野が、あの京本が動き出す。 それだけでもう、エモーションは最高潮に。 原作を愛していることがまっとうに伝わる脚本とはこのこと。 脚色も愛しているから

          【観た/2024年46本目】映画「ルックバック」観ました。

          【観た/2024年44本目】映画「人間の境界」観ました。

          【観た/2024年44本目】映画「人間の境界」観ました。 【感想】 創作物が描き出す、紛れもない「真実」。 目をそらしてよいわけがない希望無き現実を撮りきった力作! まずストーリー。 これは、まるでドキュメンタリーかと見紛うほど。 しつこく、綿密に取材を重ねたであろう事は疑う余地のない脚本、設定。 監督の執念はすさまじく、完全に圧倒されました。 そして演出、演技。 これもまた容赦なし。 シリア難民家族、ポーランド国境警備隊の青年、人権活動家、それに賛同する精神科医。 大

          【観た/2024年44本目】映画「人間の境界」観ました。

          【観た/2024年43本目】映画「かくしごと」観ました。

          【観た/2024年43本目】映画「かくしごと」観ました。 【感想】 この嘘を、この愛を果たして断罪できるものなのか。 「社会の仕組み」の非情さに一石を投じる意欲作。 まずストーリー。 父と娘、母と息子という二重の親子関係を序盤で比較的わかりやすく、さっと説明。 この部分が抜群に効いているので、その後に起こるやや荒唐無稽な展開もすんなり飲み込める。 すんなり飲み込めるので、キャストの台詞や心情がこれまたわかりやすく、ダイレクトに響く設計。 原作は未読なのですが世界観はきっち

          【観た/2024年43本目】映画「かくしごと」観ました。

          【観た/2024年42本目】映画「あんのこと」観ました。

          【感想】 ゆがみきった世界の果て、わずかな希望のさらにその先。 観なくてよいものなのか、世界に問う意欲作。 まずストーリー、脚本。 これは「事実に着想」とのこと。 綿密に取材を重ねたことがよくわかる展開。 目を背けたくても背けられない、映画館という空間を十分意識した手加減のなさ。 かなり踏み込んだストーリー設計は制作陣の覚悟を感じます。 次に演出演技。 まずは主演の河合優実さん。 ライジングスターの輝き。 無理に社会に放り込まれた少女の幼さ、無防備さを正確に表現。 緻密な

          【観た/2024年42本目】映画「あんのこと」観ました。

          【観た/2024年41本目】映画「碁盤斬り」観ました。

          【感想】 正直とは何か。生き様とは何かを現代に問う王道時代劇。 まずストーリー、脚本。 これはまさに王道時代劇。 正直で無骨な主人公をしっかり中心に据え、登場人物ひとりひとりをしっかりと書き込む。 原案は落語とのこと、なるほどプロットの回収、起承転結のメリハリも鮮やか。 観やすさ、わかりやすさをベースにしているのでテーマがクッキリする、 ウェルメイドなストーリー設計です。 次に演出・演技。 まずは主演の草なぎさん、こんな役もできるのか!と驚くばかり。 いや、やれるんでしょ

          【観た/2024年41本目】映画「碁盤斬り」観ました。

          【観た/2024年39本目】映画「関心領域」観ました。

          【感想】 狂っているのは誰か。狂わせているのは何か。 人間という種の闇をあぶりだし尽くす問題作。 まずストーリー。 これは、かの有名なアウシュビッツが舞台。 淡々と、少しづつ、着実に進むストーリー展開から、急激なラスト。 当たり前ですが非常に確信犯的。 主題の骨格をきちり捉えた硬質な脚本でした。 次に演出。 これはただひたすらに「怖い」。 まず、音の演出、ひたすら不穏。 ギミックの効いた永続の演出。 意図的に青い空、、。 日常の描き方にいたるまで、平凡すぎて怖い、、、。

          【観た/2024年39本目】映画「関心領域」観ました。

          【観た/2024年37・38本目】映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前篇・後編」観ました。

          【観た/2024年37・38本目】映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前篇・後編」観ました。 【感想】 この世界の狂気をチューニングするのはまた狂気しか無いのか。 ゆがんだ社会に巨大にな石を撃つ、真性社会派青春映画! まずストーリー。 とにもかくにも確信犯的な脚本。 台詞一つ一つにしっかりとした意味をもたせ、 会話の流れの中にかりそめの平和を溶け込ませる。 ちょっと振り切れている台詞も「悪意」的に用意。 物語のテーマ性を脚本だけでも十分に持って行く、流石

          【観た/2024年37・38本目】映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前篇・後編」観ました。

          【観た/2024年36本目】映画「ミッシング」観ました。

          【観た/2024年36本目】映画「ミッシング」観ました。 【感想】 荒唐無稽な現実が「人」そのものを切り裂いていく。 監督の作家性が炸裂する意欲作。 まず、ストーリー、脚本。 実際にはありえなさそうな、しかしながら現実的に起こりうる事件。 ちょっとでもバランスを取り損なうとあっという間に崩壊しそうなきわどいストーリー。 多くも少なくもない台詞の数、的確なワードチョイスで紡いでいく。 こだわりきった丁寧さが一層問題点をあぶりだす、常に槍の剣先が目の前に突きつけられているよう

          【観た/2024年36本目】映画「ミッシング」観ました。