[理系による「アート」考察] 木をアート絵画として描いてください、と言われて窮しない芸術家三選
木をアート絵画として描いてください、とリクエスト受けた場合、普通の方なら"木"というものがあまりに普遍的な題材のため、かなり困惑すると思いますが、それを見事にやり切るアーティストを紹介しようと思います。
まずは、狩野永徳です。
桃山時代の画家で、狩野派の中で一番有名ですが、"木"をこれほど豪快な表現に落とし込める画家は実はいないのではと思います。なんとも空振りせざるを得ないド直球を食らった感じです。
次に、歌川広重です。
"木"を描いていますが、絵のど真ん中にそれをもってきて、奥を敢えて見えにくくすることで梅屋敷な雰囲気を強調するという、"木"はもはや構図で遊ぶための要素であり、なんともお洒落で、お題に対してうまく外された感があり、心地よいです。
最後に、モンドリアンです。
モンドリアンはブロードウェイブギウギやコンポジションなどの抽象絵画が有名ですが、そこに行きつく前はちゃんと具象画も描いているんですよね。
で、モンドリアンを調べると、新造形主義、というなんだか難しそうな言葉が出てきますが、
どこまで木に見えるか、単純化の限界に挑戦!、
と解釈してもらえば鑑賞が楽しくなると思います。
ということで、限界に挑戦してみましょう~。
初めの作品は、フォービズムが入ってますが、全然"木"ですね。
次に、キュビズム的表現になってきましたが、"木"ですね。
そして、単純化されてきましたが、"木"ですね。
いよいよ単純化が進んできましたが、この辺りが"木"の限界ですかね。
さらに単純化が進み、表題に"Tree"とありますが、もう"木"とは認識できないですね。
ここまでくると、もはや"木"ではないですね…。
と、"木"という普遍的な題材でも、いろんな見方や捉え方、表現の仕方があるのを学べるので、アート考察はやめられない、な話でした~。
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