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恒川光太郎 夜市(角川ホラー文庫)を読んで

今回の作品は恒川光太郎さんの夜市です。ネタバレ回避の抽象的感覚派読書感想文、推薦文を書いていきます。

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主人公のいずみは高校の同級生だった裕司に連れられ、夜市に紛れ込んでしまいます。夜市とは摩訶不思議な存在が、何でも売っているような場所です。なぜ裕司は夜市に自分を連れて来たのか分からぬまま、裕司に着いて回ります。だが、ある店の前で裕司が秘密にしていた過去を知ることになるのです。その過去を今でも引きずっていたため、裕司はいずみと共に夜市に来たのでした。

本作はこの途中にとある人物が登場し、その人物から衝撃敵な話を聞いてラストに向かう物語になっています。それが見事な展開なのです。是非、本書を手に取って見て、やられた、という気持ちを味わってみてください。物語展開だけではなく描写も美しいので、一読の価値は大いにあります。

この夜市という作品は、香ばしいドーナツに黒蜜きなこをかけたような作品です。作品自体長くはないが、少し読むだけで濃厚な甘さを十分に堪能することができるのです。魑魅魍魎が跋扈する描写は、黒蜜きなこのように艶やかに光りドロリとまとわりつき、物語の面白さは、ドーナツのサクッとしたようなじとっとしたような歯触りに匹敵する美味さです。

これで今回の抽象的感覚派読書感想文を終えます。拙作について↓


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