20220520☆：トゥの回：初の映画鑑賞
今日は産まれて初めて映画という物を観た。
ギレルミナの出演した映画が封切りだからと
観客動員数のお手伝いという名目で、
マルコスが営んでいる映画館に招待してくれた。
思い切り笑ったり悲鳴を上げたりして楽しみなさい、
喉が乾いたら飲みなさいと、
お茶まで持たせてくれて。
ギレルミナとたくさんの生き物が
幸福に暮らしていた川のほとりで
ある夜突然
前触れなく宵闇に雷が落ちて
びっくりして叫んだ。
羽ばたく度に雷を落とす
アタマのおかしい大きな鳥が
ギレルミナの村の天地をひっくり返してしまって泣いた。
夜が明けて
掠り傷で済んでた
ギレルミナと馬獣人と蝙蝠獣人と猫小人の
たった四人だけで
ろくな荷も持てずに
鳥の向かった方向へ旅立ったから
胸がぎゅっとした。
旅の内に
大きな鳥は一度大暴れすると
数十年ぐっすり眠って起きないと分かって
どうやって倒すか一緒に考えた。
鳥が住処にしている溶岩柱に着いて、
断崖絶壁を登るのかと手に汗を握ったら、
旅の途中でできた仲間が造った
破城槌が運ばれてきて笑った。
何も倒せそうになさそうな
可愛らしい猫の手の形をしていたから。
でも最後は
直径数百メートルもある溶岩柱を
猫の手の破城槌で見事に破壊して
鳥の巣を落とし、
猫小人が鳥の口の中へ入って取り出した
パチパチと稲光を発する生命の核を
馬獣人が蹴り割ったら
光が消えて大団円に。
みんなと一緒に喜んで飛び跳ねた。
いやぁ、映画って素晴らしいもんですねー！
マリエラセス暦3903年5月25日青曜日23時2分。
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