747.20231226：華代の回：救出
前話のご案内
久幸と凌司のお話
話中の万禮一家は、 メンバーシップ「夢了の皿」会員の万禮様のオリジナル・キャラクターで 設定その他は会員様御本人と話し合っております。
７１１号室出演者≒メンバーシップ会員様は常時募集中です♡
万禮様の偶さか日記も併せてお読みいただくと解像度とエモさが跳満です。
711号室
主な登場人物
トゥ、師匠、おちび：ランの伴侶小人。久幸の友人。凌司の魔術の師。
泰市：ランとトゥの伴侶猫。猫獣人に進化した。
武長華代：凌司と前妻の子。幼少時に凌司の母の養子となった。
香坂パトリシア真弓：華代のバンパイアにおける始祖。久幸の厚意で禁錮刑から減刑され圭家に仕えている。
下段左からサンタ：ねこのぬいぐるみだがトゥの魔法で限定的に猫になる。
スュクセ、すゅー：トゥの特別な遣い魔。個性と向学心がある。
真由：華代の後天性加護精霊。トゥから贈られたカーボナードの精霊だが人形の中と華代の差し歯にいる。
五号：バンパイア協会から真弓と華代のお目付け役として遣わされた遣い魔。
圭凌司、りゅーし：万禮久幸のバンパイアにおける直系係累で伴侶。華代の実父。
土果：久幸と凌司二人の伴侶犬。
恵玄：凌司の後天性加護精霊。トゥから贈られたカーボナードの精霊。
本編
バンパイア協会から招集が掛かって
真弓と私は万禮さんとりゅーと一緒に
殻持たぬ青海の星の虐殺が行われている土地の
バンパイア協会に縁のある人を
安全な地へ逃がす為に出張した。
私が成人してから年に一度の寄付を続けてきた
医師の団体も攻撃を受けているから、
私は何とかして彼等の役に立ちたかった。
バンパイア協会に縁のある人だけだなんて
けち臭い事言わないで
一般人みんな助けたいと私が言ったら、
自分の痕跡がある暗闇同士を繋ぐ
バンパイア式ワープを使うから
一般人は気絶でもしてないと無理だって
万禮さんがそっと答えてくれた。
現地に着いたら
報道写真で見たより何十何百倍もの怪我人が
横たわるのも難しい場所に転がっていて、
私と真弓は立ち尽くした。
私は発狂しそうだった。
叫んで駆けだして
手あたり次第掴める物を拾って
砲撃の飛んでくる方向へ
投げつけてやりたい衝動に駆られた。
精々３６メートルしか投げられなくて
気すらも晴れようが無くて
全く何の役にも立たないって気付いて
冷静を取り戻したけど。
できる事をできるだけ
ひたすらコツコツするしかないの……。
遠い昔のバンパイアの混血の子孫で
バンパイア特有の能力が低くて
自力で脱出できなかった一族を
一人一人手を繋いだり肩を貸したりして
戦場から連れ出した。
何人かに連鎖的に
初めての吸血衝動が起きたみたいで
しっちゃかめっちゃかになった。
私達は万禮さんがくれたマスクで
瞬時に遮られて衝動から守られたけど、
血の匂いが彼方此方に充満してたから
無理もないわよね。
一人何十人かを連れ出した処で
時間切れになった。
労働基準法みたいなのを遵守してるんですって。
死にかけてる人が目の前に居るのに！
まだまだ私の身体は動くのに！
りゅーに頭を撫でられて涙が溢れた。
口惜しくて口惜しくて
何時までも泣き止む事ができなかった。
腹立つ腹立つ腹立つ！！
虐殺に加担してる奴等
全員干乾びさせてやりたいわ！
マリエラセス暦３９０５年２月８日赤曜日２６時１６分
（この星の一日は２６時間）
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７１１号室第一期第一話
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