20220517：ランの回：内緒話
白曜日は休日。
フェリシダーデとラリーサにお呼ばれして
どの部屋も天井が4メートルもある豪邸に遊びに行った。
マルコスは留守という事で！
念願の内緒話チャンス到来！
恋バナじゃないかなと思ってたんだけど違った。
ラリーサがお料理してる方が話しやすいって言うから
一緒に野菜洗いと皮むきに勤しんだ。
ジャガイモとゴボウ。
二つ目を洗い始めてやっとラリーサの口が動いた。
先日おちびのお師匠のお墓参りに連れてってくれた
契約竜の人が小さい頃に生き別れて、
長く恋しがってたおかあさんの行方を
ラリーサが最近知ったんだけど、
今のドレイクはもう会いたくないし
何にも知りたくもないから
聞かせないでくれって
言い張ってるんだって。
マルコスがこの状況を知ったら
間違いなくドレイクにお説教を始めるから
それは避けたいんだって。
マルコスのお説教は拳骨付きだから。
「ランだったら聞こうとしなくても
耳元で話しちゃいそうだよ」って言ったら、
ドレイクのおかあさんは
自分の欲望に忠実な時期が長かった人だと分かって
ドレイクと生き別れた理由も
ラリーサとフェリシダーデは知ってしまったから
言葉が詰まっちゃうんだって。
ランは犬のおかあさんが生きてたら
どんなろくでなしでも
暮らしてる位置くらいは知っておきたいかなと一瞬思ったけど、
それはそもそも獣人のおかあさんは出産時に
大変な苦労をしてる事だけは確実だって
ランが知ってるから
大目に見てるだけなのかもしれないから
ランも言葉に詰まっちゃった。
一緒に作った鳥の骨の出汁で煮た野菜と、
調理師の人が作ってくれた
魚のパイとプリンを御馳走になったら
ちょっと思いついたから
「ドレイクが人生の岐路に立つまで
二人が元気だったら、
その時に話せば良いけど、
竜・龍種の人は長生きだからね。
ランだったらドレイク宛ての遺書に書くかな」って
書いたメモを渡したよ。
食事の時間にマルコスが帰ってきたからね。
ドレイクが寛容になるまでおかあさんが元気だと良いなぁ。
マリエラセス暦3903年5月22日白曜日24時42分。
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