20220519☆：ランの回：小さなお祭り
おちびにすっごいもの見せてもらった！
ナニカの精霊のお祭り行列。
今日買い物帰りにいつもの神域に寄ったら、
「不自然に綺麗な紅葉が落ちてるから
夜前にもう一度お邪魔しましょう」って。
早めに夕飯を済ませてあったかくして、
ラン用のピンセットを持って、
日が届かなくって突然暗くなる時間直前にまたお邪魔した。
「ランは草むら越しに紅葉の方を向いて
腹ばいになって……
ひたすら静かに待ちましょう」って。
おちびの「ひたすら」はなかなか長いから
ちょっと覚悟したけど、
ツイてたらしいよ。
夜になってすぐに
ランが退屈しない内に来てくれた。
ランの手から肘くらいの長さの中で
蛇行して消えちゃったけど。
キラッキラのナニカ。
発光してるのか、発光物を持ってるのか、
小さすぎるのか、そもそも隠形なのか、
全然正体は視えなかったけど、
音は微かに聞こえた。
細いたくさんの金属の棒がぶつかる音と、
歌というよりお喋りみたいなたくさんの声と
楽しそうな笑い声。
笑い声には聞き覚えがあった。
ズィゴーキュの邸のお墓で。
毎月一回しか行かないけど
毎回居たから覚えちゃった。
でも何だったんだろう。
おちびにも分からないんだって。
ただ、
彼等のこの行列の跡には必ず
魔法薬のレアな材料がたっぷり落ちてるんだって。
「制限時間16分。
誰にも遠慮は要らないそうですから
取り尽くしてください」って言うから
一粒残らず輝く小石を拾ったよ。
16分経ったら真っ暗闇になって
闇の生き物の息遣いが聞こえたから
慌てて明かりを灯して
カミサマに御礼してから帰ってきた。
上から見てたんじゃ
草むらに隠れちゃって
一生気付きもしなかった
小さい世界のお祭りに感動した。
まだぽやぽやするよ。
手前の草の丈は20㎝くらい
マリエラセス暦3903年5月24日赤曜日22時30分。
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