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Trip|インドネシア・バリ島の伝統工芸

インドネシアをつくる1万以上もの島のひとつ、バリ島。青く澄んだ海と白い砂浜、温暖な気候。今では人気の観光スポットですが、リゾート地として栄え始めたのは、20世紀後半になってからのこと。その歴史は古く、紀元前から人が住んでいたと言われています。バリヒンドゥー教の広まりやオランダの植民地時代。今に至るまでの長い変遷と特有の気候によって、バリ島では、独自の文化や芸術が育まれていきました。

バリ島を訪れると、そんな長い歴史を纏ったさまざまな美しい伝統工芸品に出会うことができます。舞踊や建築物に施す木彫り装飾の技術を活かした置物や雑貨、インドネシアに自生するアタの茎で編むインテリア小物やバスケット、 伝統楽器・ガムランの音を再現したガムランボール。

中でも惹かれたのは、ロウで模様を描く「ろうけつ染め」の技法を用いた布、バティック。花や椰子の木、魚、蝶、星など、バティックに描かれるモチーフは多種多様。それぞれに伝統的・歴史的な背景を持ち、場所や民族によっていろいろな柄や模様があるそうです。2009年には、ユネスコの世界無形文化遺産に認定されました。

元々は王族や貴族のみが着用する特別な布でしたが、現在は手描きのほか、型押しで染める比較的安価なものもあり、シャツやエプロン、ベッドリネン、タペストリーなど、たくさんの用途で親しまれています。

私が初めてバリ島を訪れたのは、約15年前。煌びやかな衣装で演じられる伝統舞踊やカマサン村に伝わる宗教画が派生して生まれた伝統絵画、バリ島で目にした独自の芸術文化。旅の思い出にと連れて帰った伝統工芸品たちを家の片隅で見かけるたびに、そんなバリ島での記憶がふと、思い出されます。


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