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声が伝える笑顔の「うるさい」

息子が毎日ボイスチャットで友達とゲームをしている。友達と会わなくとも、一緒にゲームを楽しめる、なかなか良いツールだなと思う。

こちらには息子が話す声しか聞こえない。
その声を聞きながら、仲良く遊んでるなとか、ちょっと揉め始めたかな、とか、勝手に想像を膨らませる。
戦闘ゲームなので、たまに際どい言葉も発せられるが、10歳の息子なりに相手を励ましたり、挑発したり、その会話模様を感じられるのは面白い。

今日も傍らで、息子のゲーム中の会話を聞いていて、ある言葉が耳に留まった。
息子が呟いた「うるさい、うるさい」という言葉。
それは、腹を立てて放った怒りの「うるさい」ではなく、からかわれたのを制するものでもなく、騒ぐ相手をたしなめるような、でもちょっと自分も楽しんでいるような、その時の顔は笑っていたとちゃんとわかる、「うるさい」で、
10歳という子どもだけれども、少し包容力さえ感じてしまうような言葉だった。

この「うるさい、うるさい」を、SNSなどで正確に伝えるのは難しいだろうなと、ふと思った。
字面だけでは、その言葉を耳で聞いた時の、胸がくすぐられるようなほわっとした気持ちは、なかなか感じられない。
ラインで、絵文字を駆使したら、伝わるのだろうか?
怒っているのではないなとかの判断は可能だろうが、胸をくすぐる心地良さが伝わることはないだろう。

声が伝える情報量は、計り知れない。
人と会うことが自粛されている今は、より一層
その声が心に染みる。

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