最高のクリスマス・プレゼント

  筆者は24歳のクリスマスイブの前夜、勤務先の名古屋の会計事務所から(岐阜県の2003年に閉鎖になった)新穂高スキー場に向かって夜通し車を走らせていました。朝早く到着したので仮眠し新穂高ロープウェイが動き出すとそれに乗り西穂高口迄行きました。そこから上級者コースがあるのです。


 当時筆者はまだ中級にもおぼつかない程度でしたが、とにかく上級者コースを滑ってみたかったのです。折しも雪は小降りになり絶好のコンディションでした。このスキー場では不慣れな人や上級者でない人のために指導員を付けてくれるのでした。私にも指導員が付いてくれることになりましたが、下手なスキーを見られたくないので

「ゆっくり行きますのでお茶でも召し上がってから来てください。直ぐに追いつくでしょうから。」

と言って先に出発しました。ここがコースだと思う所をどんどん進んで行きました。徐々に馬の背渡のように細くなっていきましたが

「上級者コースなのでこんなものだろう。」

と思ってどんどん下って行きました。暫くすると、

「おーい、止まれ。」

という小さな声が何度か聞こえてきました。

「きっと誰かがコースを間違えたのだろう。」

そう思ってまた滑り続けました。ところが、前の声よりもずっと近くで

「おーい、止まれ、止まれ。」

と聞こえてくるのです。仕方なく止まって待っていると、例の指導員がやってきて大声で怒鳴られました。

「止まれと叫んでいるのにどうして止まらないんだ。このまま行くと断崖絶壁になり、戻れないぞ。」

筆者はコースを間違えたのが本当のこととは思えないけれど、指導員の誘導に従ってカニ歩きのようにして木々の間を1時間以上かけて本コースに出ました。促されて近くのロープウェイ乗り場からゴンドラに乗りました。すると筆者のことはゲレンデ中の指導員に伝わっており、そのゴンドラの中でも乗っていた数人から

「良かったね、助かって。」

と声をかけられました。筆者はまだ夢を見ているような感じで遭難した感じは皆無でした。間もなく雲が晴れてきて新穂高の山々がよく見え始めました。すかさず例の指導員が

「あの断崖絶壁が見えるかい?あなたはあそこに向かって進んでいたんだよ。」

と言うのです。指導員が指差す方を見るとそこには何百メートルもの大きな断崖絶壁が見えました。そしてそこに向かって進んでいた、つまり遭難してあわやのところで死ぬところだった、と悟り実感して急に安堵感と疲れが出てきました。別の指導員は、

「遭難したんだから気持ちを落ち着かせ、今夜は温泉宿で泊まって明日帰ったほうがいいよ。」

と言ってくれました。しかし、

「ありがとうございます。明日は仕事なので今日帰ります。」

と断って車で帰路に着いたのでした。こうして筆者はクリスマスにスキーのコースを間違え死んでしまったであろう自分の命を神様に頂いたのです。


 クリスマスはイエス・キリストさまの誕生をお祝いする日です。

「神は実にその独り子を賜った程に世を愛してくださった。それは、み子を信ずる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネ3章16節)

と聖書は語っています。この世とは私たちのことです。天の父であられる神さまは、ご自分のみ子を私たちに贈り物としてくださったのです。イエスさまは神の立場を捨てて人として肉体を持たれて生涯を過ごされました。あらゆる病人を癒し、癩病人を清め、悪霊を追い出し、死人を甦らせました。しかしその生涯は、十字架で死ぬための道でした。それは私たち全ての人の罪を負い、呪いと病を負われるためでした。神のみ子がご自分の命をくださったのです。私たちが呪いと罪の罰と病と患いから解放されて神の子どもとなり、豊かな人生、どんな問題の中にも安らぎのある人生、無くならない希望を持つ人生を歩むためです。しかし、イエスさまは死んだだけではありません。3日目に死から甦って下さり今も生きておられるのです。釈迦も孔子もソクラテスもモハメッドも死にました。しかし死から甦られたのは真の神であるイエスさまだけです。復活後、多くの弟子たちに現れて弟子たちが見ている前で天の父なる神の元に昇られました。イエスさまは十字架の上で悪魔に打ち勝ち、甦って死に打ち勝ってくださいました。悪魔は最初から人殺しであり偽り者の父であるとイエスさまは教えておられます(ヨハネ8章44節)。悪魔はあなたを騙しあなたを死ぬように追い込んでいくのです。しかしあなたがイエス・キリストさまを信じるなら、神はあなたを人生の勝利者にしてくださいます。永遠の命が与えられ悪魔に打ち勝つ神の権威を与えてくださるからです。


 どうかあなたもこの生きておられる神・イエスさまを心に信じ受け入れてください。あなたにご自身の命を与え、さらにイエスさまを信じるならイエスさまが持っている永遠の命も与えてくださるお方は、あなたを裏切らず、決して見放さずに、あなたの願いも幸せも、満たすことのできるお方なのですから。

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