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想像力が足りないよ その1

 想像力が足りない人が嫌いです。 

 ここで言う想像力というのは、気が利かないと言うニュアンスに近いです。

 例えば、以前飲食店でアルバイトをしていた時にこんなことがあった。

 カップルのお客様に料理を運んだ時、二人は財布や携帯をテーブルに置いて仲良く談笑をしていた。そして料理を持ってきた自分に気付いた彼氏が彼女にスプーンを手渡したのだ。彼女はそれにありがとうと返していた。けれど一向に彼らはテーブルの上に置いてある財布や携帯を片付けようとはしないのである。料理を置くスペースがない。声をかけたが、反応無し。

おい。気を使うべき相手はまず店員だろ。

 と思うのである。

 これを簡単に気が利かないとか、周りが見えてないとかいう表現するのだろうが今の自分は

 想像力足りない、と呼ぶことが多い。何となくカッコ良くない?

 本当に本当に偏見まみれのことを言うが、接客をしていると如何にお客様が店員を舐め腐っているのかよく分かる。勿論、そんなお客様ばかりではない。気さくな方や同情をして下さる方、そもそも店員に興味のない方もいるだろう。それでも、やはり舐め腐っている人の方が多いと自分は感じている。

 イヤホンを外さないお客様。電話ばかりして話を聞かないお客様。家族や友人との談笑に盛り上がるお客様。友達でもないのにやたら馴れ馴れしくタメ口で話しかけてくるお客様。ポイントカードの仕組みに文句を言うお客様。出来ない事を伝えるとそれくらいやれと文句をつけてくるお客様。

 せまてレジ打ちの間くらいは、お行儀良く出来ないのだろうかと心底思う。

 怒鳴り散らしてやりたい。

 他人と話す時はイヤホン外せ!電話も同じ!!家族や友人と喋ってるけど今お前が話すのは店員さん!!見ず知らずの人にはまず敬語!!カードの仕組みは会社に文句を言え!!!!マニュアル破って1番困るのは店員!!!!!

 と。

 少し考えたら分かることだと思う。相手の立場に立って考えれば分かるのではないかと。でもそう思ってしまうのはきっと自分の想像力もまた足りないから。きっとイヤホンを外さない他人には外せない理由があるんでしょうな!!嫌味満開春麗

 さて、この後は美容院に行こうと思う。コロナ自粛の問題は重々承知だが、もうさっきから邪魔邪魔で仕方がない。自分は前髪を右に長すのだが、その前髪の影をよくお客様と見間違えてしまう。

 祖母に美容院を予約したという話をした二時間後、

「月曜日に床屋空いてるのけ?」 

 と聞かれた。知らなかったのだが、美容院は全国的に月曜休みが多いらしい。 ただ26歳にしてまだまだ反抗期真っ只中な自分は、予約したという話をしたのだから空いてるに決まってるじゃんと腹を立てたのである。だからまたこうして、不平不満を文にしてガス抜きを行うのである。

 まだまだ子供な26歳フリーターは簡単にイライラしてしまう。世の中だけじゃなく自分自身にも沢山の不満がある。

 でもそんな不満も結局、美容院から帰ってくる頃には忘れているんだと思う。だって一昨日の晩ご飯も覚えていない。

 記憶力が足りないよ。 

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