ただ好きな 気持ちに嘘は なかったよ ホントの事は 言えないけれど
**ただ好きな 気持ちに嘘は なかったよ ホントの事は 言えないけれど **
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5:45AM
好きな人の事を思ってる。
雨が降る寸前の真っ暗な空。
太陽が見えない。
〜今オレはとても不幸だ〜
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6時間前
その人は明るく元気で、酔っぱらうとヘラヘラ笑う。とても可愛い。
長くキレイな細い指。華奢で折れそうな細い体。
あー、守りたいな。
抱きしめたいな。
キスしたいな。
呑み屋で酔っ払って、オレの膝の上に座ってきた。
もう好きになっていた。
〜オレは不幸だ〜
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どうしても帰したくなくて。
わざと終電が無くなるまで話し続けた。
時計を見せないように。
どうでもいい事を話し続けた。
どうやら彼は来週温泉に行くらしい。
そんな事はどうでもいい。
笑いながら時間が過ぎるのをただ待った。
終電が無くなり、タクシーを拾う。
ただ彼を送って帰れば良かったんだ。
タクシーの中でキスをしてしまった。
〜オレは不幸だ〜
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結局、家に誘ってしまったんだ。
少し部屋を片付けるからと言って、マンションの階段の途中で、彼を待たせている。
もちろん片付けなんかしてない。
4分間。
ただ後悔した。
好きになったんだ。
オレは今から彼を、階段まで迎えに行く。
彼は笑顔でオレを待っていてくれた。
今からオレは、彼の髪の柔らかさ、皮膚の温度、肌の湿度を知る事になるだろう。
〜今オレはとても不幸だ〜
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5:40AM
たった今、彼は家に帰って行った。
LINEで好きだと伝えた。
彼も好きだと答えてくれる。
考えれば考えるほど好きで、やけになってレモンサワーの缶を開けてしまうほど好きだ。
・・・昨夜の飲み屋の話しだが、温泉にはパートナーと行くらしい。
その時オレはとっさに、自分にもパートナーがいると嘘をついたんだ。
そうすれば遊びだと割り切って、彼が気にせずに終われると思ったから。
今日だけの遊びでいいから。
嘘ついてでも触れたかった。
タバコとライター、コンドームの箱が転がってる。。
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5:45AM
好きな人の事を思ってる。
雨が降る寸前の真っ暗な空。
太陽が見えない。
タバコとライター、コンドームの箱が転がってる。。
〜今オレはとても不幸だ〜
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