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ベトナム起業日記 #8. ベトナム進出セミナーを聞きに行く

某月某日

東京都中小企業振興公社が主催するベトナム進出・連携ガイダンス、というものがちょうどいいタイミングにあることを発見し、参加することになった。

会場となる丸の内のSTART UP Hub Tokyo丸の内に来てみると、いかにも経営者という先輩方がスーツをビシッと着てすでに着席していた。スーツを来ていないのは自分たちだけかもしれない。

プレセンターは3人。

最初の方はベトナム人で小学校のときに日本に来てそこから日本で育ったという、まさにベトナム・日本の両方を知る者で、このセミナーにこれ以上の人選はないだろうという方だった。
プレゼンテーションの内容は

  1. ベトナム人の正確、嗜好、日本に対して抱いている印象などベトナムに対する知識の紹介から始まり、

  2. 自分がコンサルティングしている日系企業からベトナム起業への製造委託のケーススタディーの紹介。

  3. 最後に、ベトナム起業との連携やベトナム進出で成功するために必要なリーダーの資質

と導入から最後までわかりやすく短時間にまとめられた素晴らしいプレゼンテーションであった。
「この人は本当にわかっている」ということが直感的に伝わって来る内容で、最初から興味がぐっと湧いてきた。


2人目のプレゼンテーションは、日本人でありながら中国の大学を卒業し、中国 → ベトナムで長年ビジネスをやってきたKさん。

ベトナムで活躍する韓国系起業の人気が高まっていて、採用活動は難しくなっていること、またローカル起業の人気も高まっているため、昔のように日系企業だからといって簡単に人が採用できる状況ではなくなっているという内容からプレゼンテーションが始まった。
韓国の企業では、現地に赴任する人というのは日本のように任期が3年、5年と決まっているわけではなく、片道切符でやってくるという。ベトナムに骨を埋めるつもりでやってくるので商売にかける気合が全然違うのだそうだ。
そういう会社との競争が待っていると聞いて尻込みそうな気持ちになった。
採用マーケティングも盛んでTikTokを使っている企業もあるという。

後半のプレゼンテーションはベトナムの各地方出身の仕事への姿勢、気質の違いに関する内容だった。
Kさんのプレゼンテーションはベトナムで人を採用しようとしている人にとっては貴重なものばかりだ。
ベトナムと言っても北部、中部、南部で人の気質が全く違い、その気質の違いを理解しておくことも大事ということで、それぞれの地域のベトナム人の特徴を説明したスライドが登場した。

北部


組織、団結力があり、ビジネスが上手。本音が見えにくく仲良くなるのに時間はかかるが仲良くなると関係は一生続くらしい。マネージャータイプが多いとのこと。

南部

南部は明るく素直で開放的、気前が良い分、長期的思考と細かいことが苦手。新しい物好きでクリエイタータイプの人が多いとのこと。
ここまでは、僕も南部と北部両方にベトナム人の友人・知人がいるので、あぁ、確かにと思うことが多かった。

中部

一番おもしろかったのが中部ベトナム人。
タフで我慢強く、真面目、論理的思考能力が高く、ベトナムの歴史上の偉人は中部の人が非常に多いとのこと。
味方にしたら最高、敵にしたら最強。
ということだった。
僕は中部出身の友人・知人はいないのでこれを聞いていつか会ってみたいなぁと思ったのであった。
ベトナムでのビジネスの厳しさ・現実をダイレクトに教えていただき、むむむ、となったが、非常に楽しいプレゼンだった。

3人目は、ビジネスドラマに出てくるキャラのような非常に濃いS社長。
話かたからして役者のように芝居掛かっていて、最初この人大丈夫かな?と思ったが、最後にはこの人のプレゼンテーションが一番心に響いてきた。

ベトナム人と正面から向き合ってビジネスをするという部分を教えられた気がした。

質疑応答で、ある服飾関係の社長さんがS社長に質問をした。
いままでは先代が関係を構築した中国の製造メーカーに製造を依頼してきたあるプロダクトを一部ベトナムでも製造したいと考えていて、今回セミナーを主催した東京都中小企業振興公社のベトナム起業とのマッチングサービスを利用して候補を5社ほど出してもらいだいたい1つに絞ったところです、

とまずは自社の状況を説明した。

S社長はすかさず、
「なんで、その1社に絞ったんですか?、実際にベトナムに行って絞ったんですか?」
と聞いた。
質問者の答えはノーだった。

「なんで?、いかなきゃ。行こうよ!」

S社長の声が会場に響いた。

「先代は、行ったんでしょ?、中国に。そこで今のメーカーを見つけたんでしょ?だから今があるんじゃない?」

このシーンは当にビジネスドラマの1シーン。
いいもの見せてもらいました。


その後の質疑応答でおっしゃられていたが、現地法人の社長は最終的にはベトナム人に任せられるくらいまでいけたら一番いい、というS社長の意見も大変参考になった。

S社長のおかげか、会場の温度が一段あがったような状態ですべてのプログラムが終わりセミナーは終了となった。

僕は2番めのプレゼンター、Kさんのところに行き、前から気になっていたベトナムの社員旅行について聞いてみた。
Kさん曰く、社員旅行はベース。もちろん家族も連れて行く。

「ないというのは考えられない」

、とのことだった。
衝撃の事実である笑。

飲み会も非常に多いとのことだった。そういえば2019年にハノイに調査で行った時に現地のある社長に連れて行ってもらった飲み会でも途中からみんなでウォッカの一気飲みが始まったことを思い出した。毎回あんな感じなのだろうか。。
昭和と令和がブレンドしたベトナムの働き方、昭和世代の自分には合っているのかもしれない。

続く。


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