ことばにならなかった感情は

画像1 その瞬間の感情にはさまざまな色が宿っている。どの色とどの色で何種類かなんて、かんたんには見分けがつかないし、どれかひとつを取り出すことなんてできない。花曇りの空のように淡くすべらかに重なりあって、ただ、そこにある。そのやわらかなかたまりをじっと眺め、味わい、撫でていると、ゆっくりとかたちを成し見えてくるものがある。見つめ直し取り出し磨いて、それにことばを与える。磨いたそれを空へ投げると、花がひとつひらいた。わたしはまたやわらかなかたまりに目を向ける。ことばにならなかった感情は余白にちゃんと息づいている。

ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!