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水野伽奈子
2020年5月25日 18:27
(15)五反田駅東口ロータリーpm9:38 終焉店はオープンからずっと暇だった3人組の男性客が1組サラリーマンではなく有楽街で幅をきかせているヤクザたちだった暴れたり暴言を吐いたりはしない言葉は荒っぽいが場の雰囲気を読んで普通に飲んでいるようだったカーテンで仕切られた女の子が3人入ると満員になる小さな更衣室ハンガーラックにかけられた50着ほどのドレス壁に取り付けられた鏡
2020年5月21日 12:40
(14)中延商店街 pm3:00 追憶〝ケンタロウ〟は怪我が治るまでしばらくは家でじっとしていた毎日同じ時間に目を覚ましダイニングテーブルでウェルチを飲む全開にした彼の部屋の窓から見える風に揺れる深緑の木々の葉を静かに眺めていたある日〝ケンタロウ〟が買い物に行きたいと言い出した【新しい服がほしい】と
2020年5月10日 18:17
(12)五反田有楽街am4:00 崩壊明け方〝ケンタロウ〟からの着信めったに電話なんてしてこないのに珍しいタイミングが悪く2度取れず3度目の電話に出た『出れなくてごめんね。どしたの?』 『〝とーご〟が』『〝とーご〟が何? どうしたの?』『捕まった』『え…!?』『家に警察来ててバタバタしてるから店終わったら しばらく店にいるかどこかで時間潰せる?』
2020年5月3日 21:18
その後2度と【寺子屋】に行くことはなかったあの日の思い出と後悔は私の中で粗く優しく記憶に残っている老いて朽ち果てて行くまで色あせないで私を飽きさせないで永遠に残る(10)目黒川沿いpm8:00 ガラスの人形【寺子屋】を出た私たちはまたタクシーに乗り込み今度は五反田に向かった連れて行きたい場所がまだあるんだそう『次どこ行くの?』『五反田』『電車って乗らないの
2020年4月22日 20:37
(8)裸の札束 pm3:00 【寺子屋】と〝ケンタロウ〟〝ケンタロウ〟の部屋のドアはいつも大きく開いているダイニングキッチンから彼の部屋の中はいつも丸見えだっただからキッチンで料理をしていても食堂で食事をしていても部屋の中にいる彼と話ができた〝ケンタロウ〟はいつも昼頃に起きて毎朝おきまりのウェルチを飲んで外の景色を眺めスエットとTシャツと草履で出かけていく同僚のは