見出し画像

テイクアウトやECへ切り替えたら。その次行動すべきことは何か

短期と中長期、2つの時間軸が必要

7都府県を対象地域として発令された緊急事態宣言、外出自粛の流れを受けて、テイクアウトやECへ切り替え運営する店舗が増えています。16日夜には6つの都府県が加わり、緊急事態宣言対象地域を全国に拡充。テイクアウトやECへ対応する店舗はより増えていくでしょう。

とはいえ、正直それだけで店舗や事業を維持していくのは難しいと、多くの人は理解しています。テイクアウトやECをやってみることは重要ですが、after/withコロナ時代を乗り越えられるかはまったくの別問題。

コロナ禍で働き方や暮らし方、消費の仕方までガラリとかわるパラダイムシフトが起こっているいま、既存ビジネスの延長としてのテイクアウトやEC── 従来売っていた物の“届ける手段”を変えるだけではなく、そもそものビジネスの再設計が必要です

会社が生き残る上で、収益の柱を複数持つことは大事です(これは個人もそう)が、いま起きているテイクアウトやEC転換の大部分は、収益の柱をいくつか持つことではなくて、コンテンツや商品はそのままに、単に届ける手段を増やしているところで落ち着いています。あくまでも、この状況下における「延命措置」です。

今日明日を生き残るための短期的なアクションは重要です。日銭がないと気持ちはすり減ります。ですがそれと同じくらい、穴から出てくるモグラ(課題)を延々と叩き続ける作業も気持ちがすり減っていく。

after/withコロナを生き残るには、短期と中長期、2つの時間軸での思考と行動が必要になります。

「いやいや、まずは目の前で手一杯」「そんな先の話を無責任にできない」と言う人もいると思いますが、中長期を見据えた思考と行動は、先の自分を作り、いまの自分のメンタルを整えることにもなります。だって未来を考えたり語ることは楽しいですから。これは無責任でもなんでもなく、いまの自分を救う作業です

目の前のことを動きながら、ちょっとだけいま対応しているテイクアウトやECは未来につながっているのかを考えてみてください。
自分たちの事業ドメインは何なのか、誰に何を届けたいのか、誰の課題を解決したいのか、どうなっていきたいのかに向き合ってください。
そして各ツールではどのようなコミュニケーションの取り方が良いか、何を表現したり伝えたらいいかを、もう一歩踏み込んで考えてみてください。

家族や社員以外に話を聞いてもらう

ですが、ひとりで思考するのは至難の技。短期目線と中長期目線を行ったりきたりしながら思考を深めていくのは本当に難しいです。

そういうとき、シンプルですが壁打ち的に話を聞いてもらうのは大事です。壁打ち相手はできれば社内や家族など近しい人ではなく、フラットに物事を見られる程よく距離がある人がいいでしょう。

大切なのは誰かに答えを求めるのではなく、自分の考えを言葉にして可視化したり整理することなので、助言をくれるというよりは、しっかり話を聞いてくれる人がいいと思います(できればその考えを引き出して言語化の手伝いをしてくれるような人だと最高です)。

今熱海では、複業という働き方を取り入れ、首都圏の複業人材と仕事をしている企業さんが増えつつありますが、みなさん共通して「客観的な視点やフィードバックをくれる」点を良さのひとつとして挙げます。

ずっと同じ環境にいると、どうしても自分たちの価値や強み、足りないところが見えなくなります。そういった意味でも、別のコミュニティや程よい距離感を保つ人の存在は大事です。

熱海の老舗ホテルで複業人材を受け入れている「ホテルニューアカオ」さんのインタビュー。上記のような複業人材活用のメリットなどお話してくれています。

間違って伝わって欲しくないのは、昨今のテイクアウトやECへの転換を否定しているわけでは決してありませんし(むしろECへのデジタルシフトは超最低限すべきだと思います)、この状況下で思考と動きを止めず、すぐさま行動に移せるのは素晴らしいと思います。

今後私たちは、コロナのある生活を生きていかなければなりません。

いち早く現状を理解した企業や事業者さんからは、少し先を見据えた上で複業人材活用のご相談をいただいています。「いま人材への投資は出来ない」「社員を守るのに精一杯」「複業なんて余裕がない」というご意見が多いなかで、採用や育成という未来を見据えた相談は、もらえるだけで嬉しいです(ご相談いただいた方には全力で向き合います)。

採用戦略は経営戦略と同義です。最低限のコストカットや経費削減、販売ツールの拡充など、目の前に空いた穴を埋めるような短期の作業は進めつつも、中長期を見据えて何を動くのか。会社の価値や伸ばす事業、諦める事業は何か、そしてその上でどんな人が必要か。

いまこそ目の前と少し先を行き来しながら、事業を整えていく作業が必要ではないでしょうか。


熱海の企業とビジネスパーソンを「複業」でマッチングさせるWebサイトを運営しています。地方には仕事がないのではなく、可視化できていないだけ。魅力的な企業や人、仕事があるというのをサイトを通して伝えていきます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?