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NewsPicksのThe Update生出演で語りきれなかったことVol.1 データの信憑性を疑え

1/14に、ピコ太郎プロデューサーの古坂大魔王さんと、NewsPick StudioのCEOである佐々木紀彦さんが司会を務める「知の格闘技」生放送番組The Updateに出演いたしました。

議論のテーマは「日本の英語教育は間違っているのか?」でした。日本の受験を目的とした英語教育の是非や、英語上達の秘訣を自らの経験に即して話すなど、大盛り上がりの1時間でした。

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論客の皆さんが人間的魅力に溢れる素敵な方ばかりでしたので、実は、グローバルに活躍するときに求められる「和して同ぜず」が体現できた時間でもあり、それこそがこの番組で伝えられたいちばん重要なことだったように思います。

番組では語りきれなかったこと

私は、英語教育政策史や応用言語学を専門としながら、英語教育/国際理解教育事業を手がけ、大学非常勤を務めているという立ち位置での意見を求められていたと理解していました。

ですから、出来るだけその見地から意見を申し上げようとしましたが、番組の時間には限りがありますので、言い切れなかったことがたくさんあります。

そこで、noteでは、光栄なことにキングオブコメントを受賞した「したごころ」や、AI翻訳の話題で取り上げた「畳の上で死ねると思うなよ」というセリフの裏側にあったこと、英語学習や英語教育政策についての私見などを数回に分けて綴ります。

第一回のテーマは「データの信憑性を疑え」です。

TOEICは「世界的な英語試験」?

さて、冒頭の佐々木さんが議論テーマについてまとめるコーナーがあります。さすが、簡潔にわかりやすくまとめていらっしゃいますね(0:06:58あたりから)。

しかしながら、解説に使用していた「TOEICの国別スコアランキング」に関しては、ちょっと疑ってかかる必要があります。

TOEICを実施しているIIBCの公式サイトには以下のような記述があります。

"現在、日本では個人による受験に加え、約3,500の企業・団体・学校が採用し、年間約245万人が受験しています(2018年度)。
また、TOEIC Programの運営機関は、東南アジアやヨーロッパ、中南米を中心とした非英語圏にも設置され、TOEIC Programは、世界約160カ国で年間約700万人が受験するほどの規模に広がりを見せています。"

世界の受験者数が700万人。そのうち日本人は245万人。つまり、約35%の受験者は日本人です。

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