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エッセイ「乾燥だだちゃ豆」

 今から五年前、私はあるダイエットをした。
 それが「腸活ダイエット」だ。腸を元気にして健康的に痩せるというダイエットである。結果、半年でマイナス十六キロ落として標準体重となり、いまだにリバウンドはしていない。

 ダイエット中の食事は、基本的に「植物性タンパク質」を食べる。「植物性タンパク質縛り」と言ってもいい。要するに、豆と豆製品だ。枝豆・茹で豆・煎り豆・納豆・お豆腐・厚揚げ・お揚げ・豆乳等を三食食べる。どうせなら少しでも美味しいものを食べたい。(ちなみに栄養価はサプリメントで補い、痩せたら普通の食事に戻していく。)

 ある日、仕事の先輩から「タカシマ屋の地下で買った乾燥豆がとにかく美味しい」とラインが来た。すわ、買いに走る。
 そこで売っていたのが『乾燥だだちゃ豆』だ。
「だだちゃ豆」というのは枝豆の一種で、山形県鶴岡市でしか栽培されていないブランド豆。それを、年中食べられるようにと乾燥させた商品だ。
 早速購入し、説明書を片手に調理に入った。『乾燥だだちゃ豆』は、直径約八ミリでまん丸、美しい若葉色と少し黄色味があるものが混じる。軽く水洗いして一晩水につける。翌朝見てみると、膨らんでいるがまだ皺がある。お昼過ぎになると、水分をしっかり吸って艶々のプックリした豆になっていた。驚くことに、全員が若葉色になって、こちらに話しかけそうな雰囲気さえ醸し出している。可愛い。

 さあ、茹でよう茹でよう。鍋に新しい水を入れてそこに豆を投入。塩を少々いれて強火にかける。しばらくして沸騰してきたら、火を弱めてふきこぼれないよう注意。あくが出てくるので、それを丁寧に取り除いては火加減を調整する。豆が茹でられる時の香りがしてくる。他の豆だともさっと温かい香りがするが、「だだちゃ豆」はもっと爽やかだ。少し固めに茹でて、ざるにあげる。そのまま自然に冷めるのを待つ。

いざ、実食。

 「美味しい・・・・。」
 ちょっとおいおいだ、驚くほど美味しいのだ。豆ってこんなにも美味しい食品だったのかと驚愕した。まるで野菜を食べているような歯ごたえと、甘味と旨味がある。噛めば噛む程甘くなる。塩をかけて食べてみると、さらに旨味が引き立つ。箸が止まらない、これだけで十分。よし、ポン酢も試してみる。これもいい、酸味とのハーモニーが美しい。
 そこから私の「だだちゃ豆」生活が始まった。毎日食べても飽きない。何よりもこれだけでお腹が空かないのだ。
 豆の素材の味がわかるようになると、味覚が敏感になってくる。薄味が美味しく感じられ、安い材料や脂っこいものを食べると気持ち悪くなるようになった。体質も改善されたようで、体に悪いものを受け付けなくなった。
 ダイエットが終了してからは、何を食べてもいいのだが、自然にヘルシーなメニューを選ぶようになった。それでも、美味しいものはやっぱり食べたいので、ちょっと体重が増える時もある。そんな時は基本の「だだちゃ豆」に戻る。

「だだちゃ豆」は、私に健康な体と食習慣をくれた。
 そして、実はもう一つ、サプライズのプレゼントをくれた。それは「腸活ダイエットアドバイザー」という仕事である。

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https://yamacho-nagahori.com/?pid=158939656


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