マガジンのカバー画像

学び

68
自分にとって学びになったことのメモなど
運営しているクリエイター

#コラム

スウィング・キッズ 政治思想の対立を超える"ダンス"

前半とってものめり込んで観ていたのに、いや、だからこそ、ラストで「おぉぉぉ……つ、つらい……」と真っ暗な気持ちになった映画を久しぶりに観た。でもほんとにみんなに観てほしい「スウィング・キッズ」。※なにとぞ心が元気なときにね……! 朝鮮戦争当時(1950年代)の巨済(コジェ)捕虜収容所が舞台。新任のアメリカ人所長は収容所のイメージアップのために、戦前はブロードウェイで踊っていた下士官の黒人ジャクソンに「ダンスチームをつくるように」と言い渡す。「そうしたら沖縄にいる妻のところへ

リチャード・ジュエル 3日間で英雄から容疑者に暗転した実話の映画化

映画「リチャード・ジュエル」刺さりまくった……。自分がメディアで働いているからというのもあるけど、SNSがある今、誰も人ごとではない。むしろSNSのある今だったら、1本の記事がつけた火にどんどん油が注ぎ込まれて……もっとひどいことになっていたんだろうな……とぞくっとした。 あらすじ: 1996年、アトランタ五輪開催に浮かれたアメリカ国内。アトランタのセンテニアル公園で開かれていたコンサートで、警備員として働いていたリチャード・ジュエルは、不審なリュックを見つける。呼ばれた警

埼玉ピースミュージアムって知ってた?

チェルノブイリやアウシュビッツ、クライストチャーチ、ペリリュー島、ソウルの南北境界線などなど、戦争や災害に思いをはせて学ぶ旅「ダークツーリズム」が好きで世界各地を旅してきました。 が、コロナ禍で旅に行けず落ち込んでいたところ、友人から「埼玉県の平和資料館いかない?」と誘われました。えっ?埼玉にそんな資料館があったの??という感じ。 調べてみたところ埼玉県こども動物自然公園のそば!ここは、世界一しあわせな動物と呼ばれるクオッカを、オーストラリア以外で唯一飼育しているところなん

オラファー・エリアソン「ときに川は橋となる」超おすすめ

オラファー・エリアソンの個展「ときに川は橋となる」がめちゃくちゃよかった……。半日休をとって平日に行ってきたんだけど、空いてる平日に行くのを全力でオススメする。全部の展示をじっくり見られたし、光のアートを独り占めできる時間もあった。 この展覧会のテーマは、気候変動やサステナブル。公式HPには、 オラファー・エリアソン(1967年生まれ)はアートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきました。本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心

カラーになった「戦争」 記憶の解凍で自分ごとになる

当時広島の高校生だった庭田杏珠さんと、東大の渡邉英徳さんの「記憶の解凍」プロジェクトが、『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』の1冊にまとまった。 白黒写真を、AIと、当時を経験した人たちの証言や資料などをもとに、手作業で彩色してカラー化するのが「記憶の解凍」プロジェクト。 渡邉先生が以前、Twitterでシェアしたカラーのきのこ雲の写真を見たとき、今までよりも「これは本当にあったことなんだ」と強く感じて目が離せなくなった。 プロジェクトのうち350枚がおさめ

美術館に行くのが楽しくなる1冊 絵に会いに旅に出たい…

家にこもっていたこの数カ月、旅の写真を見返しては「あ~ここでも、あそこでも美術館で過ごしたなぁ」と感慨にふけっていた。 子どもの頃は「美術館は静かで息苦しいし、絵は描いている方が楽しい」派だったのに、働き始めて旅のかたわらアートを観る・体験するようになってから、美術館って楽しい……!!と思うように。「鑑賞するってけっこう身体全体をつかうんだな」とも感じた。(美術館に行ったあとって、絵に圧倒されたり、「うぉぉぉ」って興奮したり、エネルギーごっそり吸い取られて疲れたり……ってこ

行きたかった和食展…ガイドブックめちゃ面白い

3月14日から6月14日まで開催予定だった「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」。前売り券まで買って楽しみにしていたのに、ほんとにほんとに残念ながら中止になってしまった…。 どんな内容だったのか気になるので、公式ガイドブックをお取り寄せ。このガイドブックがめちゃくちゃ面白かった~!ごはんが好きな人なら誰でも「へー!」となるところが多いと思う。 てっきり日本全国の水はぜーんぶ軟水なんだと思ってたら、地域によっては中硬水のところもあるのも初めて知った。しかもそれが沖縄・熊本、関

料理研究家さんのレシピにめちゃ助けられているお家ごはん

ほんっっとに料理する時間とごはんについて考える時間が増えた。ただ、自分の好きな味にしやすい一方で、「あーいっつも同じメニューだな…」ってマンネリに感じることも。そんな時は、料理研究家さんのレシピにめちゃめちゃ助けられてます。 まず忘れちゃいけないのが、数々の楽ちん&おいしい&お手頃レシピを紹介してくれる漫画家深谷かほるさんの『夜廻り猫』だよね(しょっぱなから料理研究家さんじゃないけど!でも深谷さんはめちゃくちゃ料理上手なのですよ)。 貧むす、チワー焼き、煮奴丼(にゃっこどん

『三つ編み』を読み終えて爽快な気持ちになった快晴の朝

必要に迫られ、ひさしぶりに通勤して働いたらめちゃくちゃヘトヘトになった。週3~4日でランニングして体力はそんなに落ちてないはずなのに、気疲れなんだろうか。 帰ってお風呂入ってごはん食べてハイボール飲んだら、急に猛烈な眠気に襲われ、すぐベッドへ。たぶん22時前。案の定、未明に目覚めてなかなか再び寝つけなかったので、GW中にkindleで買った『三つ編み』(レティシア・コロンバニ/早川書房)を読み始めた。 ……ら、面白くて、続きが気になって気になってやめられなくなり、夜が

「タクシー運転手」「1987」韓国の民主化闘争 映画pickup3

今回のおすすめは韓国映画の「タクシー運転手 約束は海を越えて」と「1987、ある闘いの真実」。 またもや「考えさせられる系」映画をピックアップしてしまった……。「観てほしい!!」って映画って、わたしの場合どうしても、史実に基づいた映画based on a true storyになりがちだ…… 韓国語ペラペラな友人が「タクシー運転手→1987の順番で観て!」ってオススメしてくれたので、去年、言われた通りに観ました。それが大正解! それまで韓国映画をほとんど観たことがなかっ

最高のがん治療 専門家が本気で書いたやさしい本

医療データ分析、がん治療、新薬開発の研究者……最先端の専門家3人が書いた『最高のがん治療』。著者のおひとり、大須賀覚先生にご恵投いただき、拝読しました。すごく分かりやすくて一気に読めた! すこしだけ専門的な言葉や難しいグラフもありますが、正直そこを飛ばしても大事なところはしっかりおさえられます。本当にオススメ。 津川友介さん・勝俣範之さん・大須賀覚さんが著者となった「世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった 最高のがん治療」。〝最高の〟というタイトルには専門家から批判もあ

マンガ『戦争は女の顔をしていない』 誰に読んでほしい?

マンガ『戦争は女の顔をしていない』がめちゃくちゃに強烈だった……。一人でも多くの人に読んでほしい…… 原作者はスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさん。ベラルーシ出身、2015年にノーベル文学賞を受賞したジャーナリスト。 原発事故の被災者や家族にインタビューした『チェルノブイリの祈り』は読んだことがあった。事故対応にあたった人や家族の壮絶な体験が、だけど淡々と語られる。「語り口調」のパワーを感じる本。 BuzzFeedの記事によると、『戦争は女の顔をしていない』は彼女のデビ

対岸の火事とは思えなかったパラサイト アカデミー賞うれしい!

パラサイト、アカデミー賞4冠!!おめでたいー!! 実は受賞の1週間ほど前に見にいって、鑑賞後はずーーーんっとなってたのでした。 韓国で深刻化している「格差」がテーマ。半地下でその日暮らしのキム一家と、高台の豪華な一軒家に住む経営者のパク家が登場する。キム家の長男・ギウが、パク家の家庭教師の代打を頼まれたことで、パク家の「幸せ」を少しずつ〝いただき〟ながら暮らしていく……だけど……というお話。 わたしの英会話の先生は過去に映画を学んでいたアイルランド人なのですが、「アカデ

メディア取材を受ける個人に、知っておいてほしいこと

先ほどこんなツイートをしました。最近はインフルエンサーみたいな人が増えているので、そういった「影響力のある個人」が取材先として選ばれるケースも出てきています。 でも同時によく聞くようになったのが、 みたいな不満の声。SNSで声を上げるのが簡単になったので、メディア側にもすぐに批判が届きます。難しい問題ですが、ある程度は個人の「取材受けリテラシー」を上げることで解決するんじゃないかなと思っています。 私はずっとPRコンサルや広報などをやってきて、過去にアレンジした取材は数

¥500