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行きたかった和食展…ガイドブックめちゃ面白い

3月14日から6月14日まで開催予定だった「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」。前売り券まで買って楽しみにしていたのに、ほんとにほんとに残念ながら中止になってしまった…。

どんな内容だったのか気になるので、公式ガイドブックをお取り寄せ。このガイドブックがめちゃくちゃ面白かった~!ごはんが好きな人なら誰でも「へー!」となるところが多いと思う。

てっきり日本全国の水はぜーんぶ軟水なんだと思ってたら、地域によっては中硬水のところもあるのも初めて知った。しかもそれが沖縄・熊本、関東南部というかなりピンポイントのエリアというのも。地形・地層の違いでこんなに変わるんだなぁ。

あと、海藻できれいな押し葉もつくれるんだって。ワカメの押し葉、綺麗だな……和食展行きたかったな~という方は、ぜひこの写真ギャラリーも見てみてね~。

でもこんなおいしい綺麗なワカメ、実は世界的に問題となっている外来生物なんだそう。知らなかった…!東アジア固有種なのに、1970年代から世界中で見つかるようになって、世界の侵略的外来種ワースト100入りしているらしい……

ガイドブック後半の洋食が入ってきた歴史もふむふむと読んだ。「カレーは上から広まり、ラーメンは下から広まった」という指摘はなるほど!と膝打ち。カレーは軍隊食にも取り入れられていたから「定番」があって、一方ラーメンは、それぞれがいろんな味をつくったり屋台を出したりして庶民の間で広まった、という。

そして、この展覧会を監修した和食文化学会の佐藤洋一郎会長の「(新型コロナウイルスが)ともに作りともに食べるという人間の本質につけこんでいる」という指摘が興味深かった。

ところが今回のコロナウイルス。致死率はそう高くなく、無症状の人さえいるらしい。誰が感染者かわからない。それなので疑心暗鬼になる。いやな存在である。ともに作りともに食べるという人類の本質につけこんでいる

食べるとは、いったいどういう営みなのだろう。なぜ私たちは外食するのか。単に作るのが面倒だから、というだけの理由ではない。外食すれば、みんながテーブルを囲めるから。家庭内ではどうしても「主婦(夫)」だけが団(だん)らんの外に追いやられがちである。そんな理由もある。「ああ、おいしかった」という、大げさに言えば感動の共有が欲しいから。でも、「いついつ行ったどこどこの店の何々の料理」のおいしさとは何だろう。それを数字に分解することはできるだろうか。仮にできたところで、それがおいしさという感動の説明にはなるまい。思い出してもみよう。おいしさには記憶がついて回る。仮にその記憶が旅中の車中で一人食べた駅弁であっても、その背後には必ず物語がついてくる。そしてその物語にはしばしば、誰かが登場する。ともに食べた、あるいはそれを作ってくれた、はたまたたまたま知り合ったあの人。

あ~たくさんの人と食卓を囲んで「おいしい記憶」を共有したり、展覧会に思いっきり行ったりできる日常が戻ってきてほしいなぁ。

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