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泡の花
泡みたい。満開の桜って。
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ヒトでなくてもいい気はしてた。何年も前から、自分が。そして関わるヒトたちも。
花々と違わない。
神々と違わない。
笑う子どもと笑う年寄りは違わない。
笑う若人と笑う中年も違わない。
異国もこの国も違わないし他の生物ともなんならモノとも違わない。
「一番」なんて言葉はね、子どもたち。
呪いでしかない。
ぽうっとなって花に惹かれてゆく。
好きよ。
胸に湧き上がる想いに鳥だの虫だの送電線だのが呼応する。
好きよ。
どうして私、こんな姿。
おかしくないよ、綺麗だよ。
あなたが真面目な顔で言う。
私は恥ずかしい。
ほんとうは。
ほんとうに好きな時はうまくしゃべれない。
猫がすりよる。なめらかになでる。
花びらを拾った。
あげるね。
ほんとうはいっしょに手をつないで見たかった。
でも想っていたからいっしょにいた。
悔いはないよ。
何ひとつ。
私はすきって気持ちにあふれてる。明日死んでもべつにどうってことはない。
今日もやることやりきって楽しんで思い切り好きだった。
満足。
帰り、空を飛んでるような感覚があった。愉快で、当たり前の感覚だった。
イカレてるのは30年来承知、でも私の好きなひとはそうじゃないと言ってくれた。
地震があってもへっちゃらで、花になって飛んでいくわ。
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