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ブータンからウェルビーイングを考える。 Part5

ブータンの不都合な真実② 若者の不安

ブータンの若者100人にアンケートを取った時に、
「将来に不安はありますか?」と聞いてみた。

結果は、90%以上の若者が「将来に不安を抱えている」と答えてくれた。

Q ブータンの若者は何に不安を感じているの?

1位 将来何が起こるか分からない不安
2位 自分たちの文化や伝統を守っていけるのか
3位 家族の幸せが守れるか
4位 小さな国だからインドや中国といった大きな国に取り込まれるのではないか
5位 就職先が少ない

ブータンらしい若者の不安!
特に、第2位の「自分たちの文化や伝統を守っていけるのか」という不安は、
日本人の若者には、ありそうでない感覚な気がする。

正直、急激な近代化が進み、都会に憧れがちな若者が多い中で、こういった不安を持っている若者がいることにもちょっと驚いた。

伝統文化を守っていくことが国民の「幸福度」につながるという国の柱もあるからかな?

もう少し突っ込んで聞いてみた。

Q「ブータンで守っていきたい伝統文化はなんですか?」

1位は 民族衣装
2位は ブータンの辛い食べ物(ブータンは世界一辛い食べ物と言われている)
そして、
3位が「自分たちの言語(ゾンカ)」
だった。

はっきりと「自分たちの言語を残していきたい」と思う若者が少なからずいるということは、逆に言語の消滅の足音を少しずつ感じているのかもしれない。

ブータンでは、30年前から学校教育において、国語以外の教科を英語で教えている。そのため、ブータンの公用語は英語だ。

もちろん、家庭での会話や友達との会話はブータンの言葉だけれど、
若者にとって、facebookやインスタなどのSNSのメッセージのやりとりは
英語の方が断然メジャーだろう。

ちなみに、ブータンの文字はこんな感じ。
ゾンカという。

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ゾンカを書く機会も少しずつ減り、
ゾンカが英語にかわっていく寂しさと焦りをどこかで
感じているのかもしれない。

日本語でいうと、方言が標準語にかわって話されなくなっていく感じと似ているだろうか。

不安はあるけれど、自分たちの伝統文化は自分たちで守りたい。
そんな風に思っているブータンの若者。

急激に近代化が押し進むブータンで、
新しいもの好きのブータンの若者だけれど
どんな風に自分たちが愛する文化を守っていくのか
見続けていきたいなと思う。

まぁ、ブータンらしく、ゆっくりと。

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