【詩のようなもの】 灰色の秋
【灰色の秋】
肌寒い秋風が吹く
木々の葉が色を落とし
街はモノクロームに彩られる
色彩を奪われた世界はとても静か
だけど強く何かを語ろうとしている
君はそれに耳を傾けて佇んでいる
曰くありげな笑みと秘密を語る沈黙と共に
幸せと哀しみの狭間
僕の知らない誰かとの約束を抱え
口に出来ないままの記憶の欠片
「さ…」と君が切り出すも
風がそれをさらい空へ
互いの景色は灰色に沈み
公園の落ち葉が君を隠すように舞い
僕は夢の中で何度も思い出す
君の曰くありげな笑みと空虚な秋を