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【詩のようなもの6編】 僕が続く


【僕が続く】

誰かが続けと願った
続くだろうか 嵐が荒ぶこの星は

形になるかは分からない
正しいかどうかは分からない
それでも良いならきっと続けるよ

無くしていく 亡くしていく
有限な肉と骨を費やして
燃えていく 生まれていく
夢半ばの大切な道標が一つ一つ

何者になるのだろう
誰かが定めるその日まで
足掻くように 穿つように
そして同じように続く天国への道

【ないけど】

覚悟はないけど
追っていいのかなぁ

難しい道だけど
歩いていいのかなぁ

落ちて堕ちて
才能も繋がりもないけど
朽ちて折れて
恨みと憧ればかりだけど

何者でもない矛盾の海に
飛び込んでみようかな
まだ未来を求めていてもいいのかな

【pull】

コーヒー色の溜め息
引き際見失った末路
退屈が膨らんでいる

座布団裏の籠った熱
受け入れられない矛盾
持て余した映画の感想
先を歩く友人の背中

孤独 孤独 孤独
その全て引いてしまったよ
残ったものは青春の濁り

立て続けに来る悪運
蒸し返される失敗歴
「もう嫌だ」とこねる駄々
汗は引いて椅子に座り
項垂れる夏の窓辺

【自分に返ってくるまで】

自分に返ってくるまで
くり抜かれた言葉を冷笑に付す人
増えたような減ったような
沼から見るか森から見るか
ただそれだけの違いだろうか

ひと息つきたい瞬間は増えたと思う
蓋しておきたい臭いものも増えたと思う

道半ばで夢を諦めた人減ったと思う
愛憎半ばで別れを選んだ人減ったと思う

自分に返ってくるまで
くり抜かれた言葉を冷笑に付す人
増えたような減ったような
沼から見るか森から見るか
ただそれだけの違いだろうか

【一夜十起】

今日までの自分
見直して反省して狂って
グルグル回る
一夜十起

一寸先は闇
何度寝ても醒めない
グラグラ揺れる
一夜十起

【集めて拾って】

言葉を集めて小さな願いを書く

言葉を拾って消えない呪いを解く

言葉を集めて優しい願いを架ける

言葉を拾って新しい自分を描く

集めて拾って

集めて拾って

そんな好循環がいつまでも続くように


最後まで読んでくれてありがとうございました。

水宮 青