【詩のようなもの6編】 累日
【累日】
多様性を口にするそれぞれが
画一的な絵に描いた餅を欲している
認め合うことが難しくて
引き寄せあって倒けつ転びつ
エコーチェンバー フィルターバブル
居心地良い異次元の鎖に籠絡
今の自分を愛せないが故に
未来の自分まで沈めようとしている
“智に働けば角が立つ情に棹させば流される”
日常がいつ果てるともなく
出会えて幸運と思える一冊 一曲
誰かと共有する為じゃない言葉抱えて
忍び歩く累日
【アルゴリズム】
アルゴリズム
アルゴリズム
出会えて良かった?
それとも出会わなければ良かった?
適応出来たと思ったら404
また0から1へ
表と裏だけじゃない多面体で
複雑怪奇の底なし沼
アルゴリズム
アルゴリズム
オススメ ポピュラー
リレーション コネクション
ループするネットワーク
明日覚えてることなんて何1つなかった
【去・欲・発】
毎日聴くスローガンよりも
ぼそっと言われた何気ない一言
終わらない春 延々と
ずっと肋骨を軋ませる呪い
散っていく花びら ゆらゆらと
手の中に収まらない不協和音
空谷の足音を待つのか
楽の種になる苦を植えるか
誰かと戯れた後の寂しさ
澱み満たされながらの分岐点
毎日変わる自分の気持ち
まだ大事にしていたいから
蒔かぬ種は生えぬなら
言の葉探しに
去っていく
欲していく
発していく
【浮世と空蝉】
明瞭増す喉元事案
恋の闇に当たることで社会は回り
歳月人を待たず向かうしかない
得難いもの欲して
雲の上の夢物語に纏い
楽観に戸惑い悲観に寄り添い
祝砲に身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
砂利と蜜を含んだ口に
活路を見い出せる目があるならば
終わらない夢もいつか終わる
徒花咲かせて地獄の沙汰も金次第
怒りの在り方
泣き声の聞こえ方
晒し者になることで
弱さに酔いしれて
炙れた一節がしなやかに
【憧れのキャラクター】
好きだったキャラクター
今も大好きなのになんだか寂しい
自分だけが大人になってしまったから
夢と希望だけで生きてこれた辛い時間
今じゃただ虚しく
少年時代に戻りたい
大人になる意味が不明確
あの頃憧れたキャラクター
同い年になって追い越して
今の自分はまだ子供のまま
何かわかった気になって
失われてくリアリティと
虚しくなるファンタジーが
今日も新しい出会いを願っている
【テーマカラー】
日記を書く 気づきを得る
誰かとフィードバック
人の弱さに沿える
その循環が続けばいい
頑張れと言いたいわけじゃない
良いことが続くわけじゃない
何処に行くも自由だが
背負わなきゃいけないものはある
分かってはいるけど漂う閉塞感が
シンボルカラーを次々と変える
失敗続きのフラストレーション
逸れた道の中で定めるテーマカラー
ノートの落書きの中に残る痛みの匂い
ずっとなりたい自分を追いかけながら
抱えてくテーマカラー