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【詩のようなもの6編】 花屑


【花屑】

もうずっと時の流れが遅く感じるのに
時代遅れの痛みに翻弄され気味

行きつけの居酒屋は閉店のお知らせ
ハマりかけた週刊誌は休刊のお知らせ

祭りの知らせをするポスターは
散った花と共に破れ去って
梅雨前線の始まり

アナログレコードに生えたカビが
湿気臭さとウザさを添えて
前を向けない心に花屑の隘路を見せる

もうきっと走れる時間が短いのに
試行錯誤の波に翻弄され気味

今が一番大事だろうけど
徒然を受け入れながら
足を擂り粉木にすることでしか
時代の花屑にはなれない

【To pain】

寝苦しい夜に潜む痛み
火照った身体をじわじわと
頭から足のつま先まで
溶けない過去に侵される

正常な思考に罹る痛み
腫れた顔をピキピキと
身も心もネガティブなイメージで
健康を損なう恐ろしさ

I don't want to give in to pain

I don't want to give in to pain

失いかけて 見え辛くなって
その痛みを通して気づく
日常の尊さ 

何もない自分の人生すら
まだもう少し 痛みを抱えたまま
抗うように 祈るように

I don't want to give in to pain

I don't want to give in to pain

【walk away】

泳ぐように飛ぶチラシ
逃げるように回る空き缶
切れかかった街灯の下 暮れなずむ

街の夕暮れ 眼に見えない移ろい
春の終わり 共にwalk away

憂うように詠う詩歌
省みるように書く自由詩
忘れかけた記憶の片隅 寸暇を惜しむ

郊外の朧月夜 忘れ霜に身慄い
春の終わり 共にwalk away

【艶やかな】

ハイライト強めの大きな瞳
バランス良い小さな鼻
ピンク色が映える唇

艶やかな君に見惚れる
これで何度目だろう

青空を背景に君という存在は
沢山の色香を纏いながら
今日も太陽のように輝く

君の全てを知らないまま
最後を迎えると知らずに
艶やかなエネルギーにつられて
全てが君を中心に回る日々を
まだ愛おしいと思えている

【小休止】

連日連夜の疲れを忘れて
一緒に挿もう小休止

何をしても休まらないなら
全てを放り投げて小休止

体を壊す前に 心を壊す前に
熱めのコーヒーを飲んで小休止

いつだって自分を第一に考えて
ここからまたスタート切るつもりで
大事にしていけたらいいな

そんな感じでもう暫く小休止

【遊び心】

学びより遊び
今日はそんな気分

長い長い滑り台
回る回るコーヒーカップ

学びより遊び
今日もそんな気分

意味のないグッズ収集
ぼんやりネットサーフィン

学びより遊び
今日だからこそそんな気分

バズったスイーツを食べて
好きな人をデートに誘う

意味のない学びを分かち合い
テキトーにのんべんだらり

私たちの人生は花のように
遊び心の上に成り立つ



最後まで読んでくれてありがとうございました。

水宮 青