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【詩のようなもの6編】 6月の夕立



【6月の夕立】

にわか雨続く6月
群青色の紫陽花
街歩くたび目移り
無常な空にぼんやり

独りでいることに慣れすぎた故に
友人の祝い事にも複雑な思いが溢れ
それをやり過ごす為6月の夕立に打たれる

忘れた頃にまた鬱
気の抜けた返事しか出来ない頭痛
弄ばれる時勢にうつつ

皆病んでるように見える
僕の勘違いであるならそれがいいけど

にわか雨続く6月
群青色の紫陽花
街歩くたび目移り
無常な空にぼんやり

【オルタナティブキャンディ】

1円玉サイズの溜め息
未知の価値を抱えてると
過ぎてから知るように
成功先に立たず

お金を払っても見えなくて
優しさと虚しさだけじゃ足りなくて
失敗の一言で終わらせたくない
鉛色の停滞感

発想の転換 視点の変換
遠からず近からず
リボンを解くように
虚しさに蓋をして
粒だった痛みを
ミント味のキャンディへ

口寂しさがなくなる頃
二者択一だった世界に
もう一つの隠し扉を開いていきたい

【get back】

羹に懲りて膾を吹く
似たもの同士 肩を寄せ合い
神経を逆撫でてget back

石橋の上 瓦礫の階段の向こう
目に見えない心を砕かないように
遠い夏をget back

大事だと思ってたことが
本当に大事なものの前では無に等しい
それに気づいたら今度こそ
get one step forward

【早朝の匂い】

心の余裕と時間がなければ
皆等しく病んでいく

夜がくれば夢か恋に溺れて
自分を失わない為の窓磨き

主張した分だけ長引いて
強調した分だけ傷ついて
投げ合う真夜中の溜め息吐息
思い出すロミオとジュリエット

寝起きから耽溺
昨日の腐り合いの延長戦
勝ち負けはない時間の貪り
抜いた棘が呼ぶ早朝の匂い

【曖昧なバイアス】

吊り橋効果
サブリミナル効果
信じて思い込んで
曖昧な現実に甘い現実を

繰り返した単純接触
上がった心拍数は何のドキドキ?
勘違いが生む事実

全ての思考や行動に理由がある
生まれた時から何かに裏付くなら
「本当の自分」って何だろう?
分からないことだけ増える

落ち込む僕の心一つ
気分一致効果に過ぎないなら
脳みそをポジティブ漬けにすれば
万事OKなのか

ハロー効果
バーナム効果
信じて思い込んで
曖昧な自分から理想の自分へ

【尻切れとんぼ】

ボサボサな髪
昼を迎える寝ぼけ眼
僕のだらしなさが光ってる

残量1%のスマホ
角が擦れたままの財布
持ち物まで僕に似てきてる

昔好きだったものも
今じゃ細かすぎる程に数に溢れ
グリーンティー一つ選ぶのを迷い
しどろもどろの日々

なんてことないいつもの朝
羽のない尻切れとんぼのように
果報を寝て待っている



最後まで読んでくれてありがとうございました。