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絵本担当と出版社⑩

akorange

営業さん〜その1

先日、品出し作業中に女性の方に「〇〇さん!?」と声をかけられました。
振り向くと、5年前に定年で仕事を辞めた出版社の元営業担当の方が。
私に会うために何度か店に足を運んでくれていたとのことで、「3回来てやっと会えた~!」と言ってくださいました。

知り合いや友達がお店に来てくれる事は結構ありますが、引退した営業さんが、用事もないのにわざわざ私に会うために来店してくれたのは初めて。

その方と以前組んでやった大きな仕事のことや、今までお世話になった思い出がふわぁっと心に浮かび、とても暖かい気持ちになりました。


書店には出版社の営業担当が頻繁に出入りしていることは今までも何度か話題にしましたが、一口に出版社の営業さんといっても、その立場は実は様々。
敢えて分類するなら、

●正社員で営業と編集を兼ねている
●正社員で営業のみ行っている
●契約社員で営業のみ行っている
●営業代行会社の社員

この4つになるでしょうか。
私は出版界の事情に明るいわけではないので、間違っているかもしれませんが…。

最初に書いた、私に会いに来てくださった方は契約社員のいわゆる“ラウンダー”と言われている人たち。
新刊案内や棚の整理などで、担当エリアの書店の各店舗を毎月巡回している人達です。

仕事上信頼出来る営業さんは、私の場合、このラウンダーさん達であることが多いです。

定期的に来店するので良く顔も合わせるし、お子さんがある程度手を離れた女性の方や、元書店員の方が多い。ということで、バックグラウンドが共通で話題も合う。
また、頻繁に来てくれるので発注や相談も出来、そして平均的に仕事熱心です。

私が忙しすぎて手が回らず荒れている棚を整理してくれたり、品出しを手伝ってくれたり、何回かは面陳の棚作りまで手伝ってもらったこともあります。
書店の事情を良く分かっている方が多いので、私達の忙しさや大変さを理解してくれているのです。

偶に、他の書店の様子を話してくれたり、色んな噂話を教えてくれることもあったり。
私の仕事は、この熱心なラウンダーさんたちにかなりの部分支えられているなと改めて感じます。


但し、ラウンダーさんたちが所属するのは殆どが大手出版社。営業専門の契約社員を抱える余裕がある所です。
取り扱うタイトルも多く、熱心なラウンダーさんが売り込んでくる…私達もそういうタイトルをメインで扱うように自ずとなっていってしまいます。

結局大手出版社の絵本の取り扱いが増えていき、どの書店に行っても同じような棚ばかりになるという、カラクリになります。

日頃の忙しさの中で、ついつい楽な方に流されて、ラウンダーさん頼みの発注だけになりがちです。

一方で小規模ながらも良書を出版してくれている出版社の書籍も、営業の有無に関わらず同じように扱わなければいけないなとも思います。




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