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広報から広報への転職で、私はめちゃくちゃつまずいた

医師人材系企業の広報からnote社の広報へ転職して、一年が経ちました。こんなことやったよ!これからこうしていきたいよ!と書きたいところです。

が、タイトルのとおり、じつはめちゃくちゃつまずきました。人生最高レベルにすっころんで立ち上がれず、メンタルにも少しばかり支障をきたして、産業医の先生にもお世話になりました。ようやく乗り越えらられたのは、ここ数ヶ月前かな。

(その先生がまた、前職時代からつながりのある方で、本当に安心できる存在でした。先生と、環境を整えてくれたnote社の労務のみなさんに、お礼申し上げます)

#PRLT のアドベントカレンダーに参加することを決めたときは、失敗談をアウトプットするふんぎりがつかず、ほかに書くことがないかずっと考えていました。

それでも書くことを決めたのは、棚卸しすることで、本当に乗り越えたことになるのでは、と思ったから。

広報のキャリアをこれからどうしていこうか迷っているひと、新しい環境に飛び込む勇気が持てない人、今まさに暗中模索な人の参考になればと思い、顔から火を出しながら書き進めます。

この記事は #PRLT Advent Calendar 2020 5日目のエントリーです!

転職なんて、もうするつもりなかった

そもそも、もう転職するつもりはありませんでした。子供服会社で採用と生産管理、出版社で法人営業と書籍プロモーションを、バラバラと経験してきたわたし。すべての経験がつながるんじゃない?と、「広報」というはじめての領域に導いてくれたのが前職の社長です。未経験ながら、広報部門の立ち上げを任され、それはそれは自由にひとり広報として動き回らせてもらいました。

プレスリリースってどう書くの?
どこに送るの?
メディアの人たちとはどう出会うの?

すべての疑問への答えは、書籍や社外の広報勉強会、広報仲間から手に入れましたが、勉強のためのコストは会社がフォローしてくれます。たくさん学び、たくさん実践させてもらえる、本当にありがたい環境でした。

一時期は新卒・中途採用業務やオウンドメディアの編集長も兼任したために、幅広い視点を身につけることもできました。年に一度の全社会議に向けた動画編集もいい思い出。やったことのないチャレンジをさせてくれる会社です。

それでも、2019年11月18日。わたしは転職します。それは、noteという会社に出会って、一瞬にして恋に落ちたから。

入社初日を終えて帰宅すると、こんなお祝いも。

3回目の転職、4社目のキャリア。正直なんの心配もしていなくて、ただただ、希望あふれるスタートを切りました。

でも、すぐにわたしはつまずくことになるのです。

会社によって、広報ってこんなに違うのか

よくよく考えたら、転職経験は何度もあっても、広報から広報への転職ははじめてのこと。業界も、会社のフェーズも、サービスの認知度も対象者も、カルチャーも。何もかも違えば、広報のすべきことも当たり前に違います。

会社によって、「広報」はこんなにも違う。

楽観的な性格が災いしたのか、これまで順風満帆に生きすぎたのか、このギャップを事前に理解できていませんでした。

たとえば、最初につまずいたのは、言葉の使い方。

入社1ヶ月で書いたこの記事では前向きに見せていますが、じつのところ「あれ、スタートダッシュ切れてない。やばい」と思っていました。ひとつの記事、ツイートを書くにも、なにが正解なのかわからない。この言い方はnoteらしくない?それはなぜ?この漢字はひらく?それはなぜ?

この頃から「萎縮」ははじまりました。

違うかもしれない。その恐怖ですべての行動にブレーキがかかりはじめました。

つまずきの種はおおきく分ければ、3つ。会社のフェーズ、広報に長けた社内の人の存在、そして、ひとり広報からチーム広報になったことです。

会社のフェーズが違う

前職は「とにかく認知を得ていこう」という段階な一方、noteはすでに一定の認知は得ています。入社して最初に広報のミッションとして言われたのは、「仲間をつくろう」でした。ミッション・世界観を正しく伝える、noteがよくなっていっていることを伝え続ける、noteをよくしていく仲間を増やすために、やることをやる。

聞いた時はとてもワクワクしました。もともと深く共感しているサービスです。そのnoteをもっとよくしていくための仲間を増やす。おもしろいに決まっている、と。

でも、今振り返ってようやくわかります。前職での成功体験はトレースできないと勝手に捨て去って、無理矢理ゼロから始めようとしていたんだと。そこから上手にスタートできず、自分はなんでこんなにできなくなったんだろうと、気持ちばかりが落ち込むようになりました。

広報に長けた社内の人の存在

noteにはPRチーム以外にも、広報に長けた存在がたくさんいます。CEOの加藤さん、CXOの深津さん、noteディレクター。そして、普段からnoteやTwitterで発信している仲間たち。

そんな人たちを目の前にして、自分の判断が正しいのか自信を持てなくなりました。自分が入社する前はどんな判断がなされていたのか。判例みたいなものを知ってそのとおりにしないといけないと、いつの間にか思い込んでいきました。

ひとり広報からチーム広報への変化

立ち上げだった前職とは違い、note社へは2人目の広報として入社しました。いまや3人+アシスタント2人の5人に、さらにアドバイザーとして入ってくれている業務委託の仲間までいる立派なチームです。

すでに完成されたようにも見える広報体制。たとえ疑問に思うことがあったとしても、それは自分の方が必ず間違っているんだと思うようになりました。

すべてのつまずきを振り返ってみると、これまでの経験や成功体験が使いものにならなくなった感覚から、自分の判断に自信を失い、聞かれたことに答えたり、なにかに意見をいうことが怖くなっていったのではないかと思います。

小さなつまずきが積み重なって、萎縮の度合いが少しずつおおきくなりました。元々は、あまり萎縮するような性格でもないわたしは、なぜ自分がこんな状況になっているのかわからなくて、解決の糸口をつかめずにいました。

間違いでもいいからやってみればいいじゃん

冒頭にも書きましたが、つまずきはここ数ヶ月で乗り越えられたように思っています。どうやって乗り越えたんだろうと考えたけど、とっかかりは強制的にメンタルをコントロールすることだったのかも。

まず、たくさん眠ったりして少しでも気持ちが前向きになれた日は、仕事も少しうまくいっている気がすることに気付きました。次に、無理矢理テンションを上げてやってみると、またうまくいくことが増えました。萎縮しているときはうまくいかないのはもちろん、些細な成功体験を簡単に見逃してしまう。悪循環を断ち切らなきゃ、抜け出せないんだ。

徐々にうまくいったことを無理矢理認識しては、「大丈夫、その調子だ」と自分を鼓舞しました。PRチームの仲間にも自分の状況をぶっちゃけて、力を貸してもらったし、チーム以外の仲間にも話を聞いてもらいました。少しずつ手に入れた成功体験、かきあつめた自信を足もとに並べて、やっと前に進めるようになりました。

ここまで立て直してようやく原因究明。成功体験を経て、萎縮しなくなって、はじめてうしろを振り返ることができます。そしてわかった、とても恥ずかしいつまずきの根っこ。

萎縮していた時のわたしは、だれかに「お前の判断は間違っている」と言われたわけでも、「間違いを犯すな」と言われたわけでもありませんでした。

「それは違うと言われたら自分がはずかしい」
「間違えたら自分が怒られるかもしれない」

そうやって、自分が主語になっていたから、勝手に萎縮していったんじゃないか。そして、一度萎縮すれば視野はますます狭くなっていく。

note社は間違えた人をたたくような会社じゃありません。加藤さんや深津さんはよく、「やり直しがきくことは間違えたっていい」と私たちに向けて話します。

会社の判断と違ってもいい、間違えてもいい。それがnoteを前に進めるかもしれないなら言ってみればいいし、試してみればいい。そう気付いてからは、体がおおきく動くようになりました。

それに、note社にはバリューがある。なにか迷ったら、バリューに立ち返ればいいんですよね。

新しい環境に飛び込むといいことがある

広報から広報への転職を経験したことで、この一年、広報仲間からはいろいろな相談を受けました。

ひとり広報からチーム広報に変わるとやりづらい?
できるだけ近いカルチャーの会社に転職した方がいいのかな?
業界が同じ方がこれまで培ったメディアとの関係も活かせるんじゃない?

たしかに、これまでの経験をそのまま繰り返せるのなら、すぐに活躍できるのかもしれません。

でも、まったく違う環境にとびこんでもおもしろいじゃん!と思うんです。

わたしは最初、がっつりつまずきました。でも、その経験から自分がものすごく独りよがりで、情けなかったことに気付けました。

そして、チーム広報になったことで、いつも新しいことを仲間から学んでいます。広報の仕事における自分の得意や好きも、新しい環境との化学変化で変わっていっています。

新しい環境は新しい自分に出会わせてくれる。

なにより今、大好きなnoteを前に進めるために仕事ができているのは、新しい環境に飛び込んだからに違いありません。

全然違う環境、いいじゃん!もしつまずいても、いつか少し強くなった自分に会えるよ。

これを書くのに何度も筆を折りそうになったほど恥ずかしい私の失敗が、だれかの勇気になりますように。

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