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涙川(詩)

少女が橋の上で泣いている
夜も更けてまわりに誰もいないから
大きな声で泣いている
涙がひと雫、またひと雫と川に落ちる
そのたびに水面に小さな波紋が広がる
少女にとって初めての失恋だった

少女はふと思う
私のように橋の上から泣いている少女はたくさんいるんじゃないかと
何千、何万の少女たちの涙は
川に落ちて海に届く
海の水がしょっぱいのは涙のせいかしら
涙が乾いたあと、少女は家に帰る

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