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谷崎潤一郎『痴人の愛』読了

初めての谷崎潤一郎作品。昔と表紙が変わった。
これほど男女で感想の変わる小説はないのではないか。小娘を成長させるという名目でナオミを引き取り、結婚し、その小娘に操られ、人生を投げ売ってしまう愚かな主人公の河合。そんなダメ男の河合を馬鹿だなあと思いつつ、その反面羨ましくも思ってしまう。一人の女性をここまで愛せるのは、ひとつの才能とも思えてしまう。河合の人生は、たぶん女は不幸だろうと思うだろう。しかし、男にとっては幸せに感じてしまうかもしれない。そんな不思議な小説だった。それとも私がMなのか。

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