変身(詩)
子守唄の聞こえなくなったベッドで、
眠ることもできず、起き上がることもできずに
ただ横たわっている。
カラスはとっくの昔に寝床へ帰り、
太陽は地球の裏っ側を彷徨っている時間に、
ただベッドの中で天井を見つめている。
流れていく時間の音。
流されていく心臓の鼓動。
流れることもできずにいる空間。
内と外に挟まれて、身動きできずにいる自分。
世界から取り残された自分。
何もできない自分。
変われない自分。
情けない自分。
大嫌いな自分。
目を閉じて、目を開いたら、
生まれ変わった自分になっていないだろうか。
世界を動かす自分。
思うままにする自分。
変わった自分。
大好きな自分。
そんな自分に変身できないだろうか。
目を閉じてみる。
そして、ゆっくりと目を開けてみる。
朝日に映った自分。
そこにいたのは、
虫に変身した自分。
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