![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143870784/rectangle_large_type_2_281324050a853b9bcad64908c7c8f457.jpeg?width=800)
小川洋子『夜明けの縁をさ迷う人々』読了
川上未映子に次ぎ、こちらを読む。
併読すると、頭の中から脳みそをほじくられて、皿に載せられソースをかけられて、お客にナイフで切られ歯で噛み砕かれた気分になる。
最初の『曲芸と野球』は今までの著者とは雰囲気の違って、静よりも動を感じさせる。
しかし、徐々に小川洋子らしさが現われてくる。お気に入りの『イービーのかなわぬ望み』は『猫を抱いて象と泳ぐ』の主人公と同じく、閉じられた世界の大きさまでしか成長しないイービーの悲しい結末で終わる。その他にも、涙や足の裏、サンバカツギ(?)といった材料を小川洋子風に調理していく。
最後の『再試合』は元に戻って、動的な小説になる。
美味しくいただきました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?