田村公江・細谷実編著『大学生と語る性』読了

村田沙耶香が『私が食べた本』で紹介していた本。大学生とのアンケートに基づく面談内容を集めた第一部と、それを分析した論文が書かれた第二部に分かれている。

大学生の性意識については、私が大学生だった４０年前とあまり変わっていないように思える。昔から性の開放は年寄からは否定的に捉えられていた。いわゆる「今の若者は」的な感覚だった。現代変わってきているとしたら、私たちの時代は男性性の開放だったが、今は女性性の開放というイメージがある。

第二部の論文では、執筆者が自分のを意見を持っていて、それに見合ったアンケート内容を選んでいるのではないか、という疑問が浮かんだ。もちろんその内容は今の時代に適した考え方であり、理想の性を指し示しており、私も反対はしない。

特別な例ではなく、そこにいそうな大学生の例が選ばれている点は面白かった。