不忍日和(詩)
満開になれば桜のトンネルになる
池の真ん中を通る
小道を歩く
桜の枝は
太陽が当たるところだけ
芽が膨らみ始めている
はにかむように
まだ葉の揃っていない柳が
風に揺れている
撒かれたエサを
カモメが喧嘩しながら
啄んでいる
日差しが暖かく
僕はベンチに腰かけ
本を読む
池のずっと先に
ビル群が見えて
それを雲が見下ろしている
蓮の枯れた茎が
ビル群に負けられないとばかりに
森を作り上げている
のどかな風景
春待ちわびる
不忍池の風景
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