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短歌 エッセイ 亡両親と祖父 hommage

社交ダンスを習っていた頃の父 若いですね この写真が大好き お父さーん ♡


愛しまれ ひと日重ねて 育まれ

雲となりても 我れを護りぬ

かなしまれ ひとひかさねて はぐくまれ

くもとなりても われをまもりぬ

※ 雲とは 亡くなったと言う大和言葉です



父が亡くなった 胃癌で

52歳の若さだった

父は 実母を満四歳で亡くしている

数日後 赤ちゃんだった妹も亡くなった

祖父と父の 二人だけの生活

父は最愛の優しい母親と可愛らしい赤ちゃんの妹を 短期間になくした

祖父ににしても 同じ思いだっただろう

家に女性がいないと 猫も寄り付かなくなった。。。

と 嫁である私の母に言っていたそうだ

農業を営んでいた祖父が 大好きだった私

離れた暮らしていたが 時折 我が家に泊まりに来ていた

母は祖父が来ると 近所のスーパーで 白身のお造りを用意した

お使いは ほとんどが私 (パシリの達人 パシリチャンピオン 笑 )

対面式の 鮮魚店に行き 「白身のお造り一人前お願いします」と伝える

お魚屋さんの 愛ちゃんは 「じいちゃん来たのかい?」と手際よく捌く

「そうなのー!私 おじじ好きなんだぁ 本買ってくれるから」と おじじ自慢
(祖父は秋田生まれですが 長男ではないので家督を継げず 都会の山奥に来た
 と思う あくまで想像です)


この祖父は 背が高く ブルーグレイの瞳で 端正な顔立ちだった

普段 農作業している農夫とは思えないほど 身だしなみが良く ハンサム

我が家に来る時は まず近くの郵便局でお金をおろし 息子のいないところで

嫁である母に お金を渡していたようだ 息子に渡さず嫁に渡す祖父 流石です

真っ白いシャツを着て アイロンかけたスラックスを履き 珈琲を飲む大正男子
(珈琲の違いがわかるのか 舶来物が好きなのか 飲んでいた珈琲を)

横で見ていた私は 台所にいる母に駆け寄り

「おじじって 日本人なの? 目は青いし 鼻も高いし ハンサムだし」

と訊ねる

母は 「おじじのお姉さんも妹さんも 美人だよー凄い美女」と教えてくれた

私が幼稚園に上がる前 一番古い記憶で3歳のころ 葬儀か法事が菩提寺であった

幼いながらも 喪服を纏った エリザベステーラーみたいな おばさま集団がいた

みんな色白で 外国人のような お顔

喪服をを着て 秋田弁のような フランス語のような 発音

秋田訛りの フランス語を しゃべくりセブンの おばさま達に圧倒された

何故か?

女性なのに こちらの美女おばさまたちは 自分を おれ って言うから

幼い私は ここは秋田ではないのに 秋田訛りのフランス語を話しまくる

エリザベス軍団に 心を奪われた

なんて 綺麗なんだろう なんで おれって言うんだろう

みんな笑っている 仏事なのに!
(葬儀か法事でもないと 中々会えなかったのかなぁ)

そういえば ある方が言っていた

法事は故人を供養するものであるけど 普段 中々会えない人のためにあると

昔は そうだったのかもしれない

ど迫力の おばさまが アレッ!もしかして たけしちゃんの子かい?と聞いてきた

エリザベス数人に囲まれる茉莉

緊張して 固まっていた

そこへ 父 たけしが来て 娘の茉莉です と私を抱き上げる

誰に似てるべか?(たけしの母 みさをさんです)

めんこいなぁー たけしちゃん めんこいベェと エリザベス軍団が言う

もう可愛くて可愛くて と 相好を崩す父 たけし(えー私って可愛いんだ)

お父さんって私のこと 可愛くてたまらないんだ えへへ 嬉しい!

私も お父さん だーいすき 優しいんだもん 肩車してくれるし

お風呂に一緒に入ると 優しく丁寧にシャンプーしてくれる

ドライヤーで乾かしてもくれる

参観日じゃないのに 突然 教室に来る それも前の扉を開けて

父は 自営業だったので マル武三共株式会社 の 社長

土砂降りの日は学校まで迎えに来てくれたことも 何回かある

校門の近くに 車を停めて「茉莉〜風邪引くから乗りなさい」って

父は自分の母親が「頭が痛い」と言って病院に運ばれたが24歳の

若さで亡くなった

その時 満四歳の父は 母親の死を理解できたのだろうか

10日も経たず 赤ちゃんの妹も亡くなってしまった

家に母親がいない寂しさを 十分すぎるほど感じて育った父

総領娘だった 祖母みさをの両親や叔母達に たいそう可愛がられていて

私が物心ついた時 まだ曽祖父母が健在だったので お正月になると

祖母の生家 瑞の本家へ行って ご馳走を頂いていた

大きな家で一階だけで10部屋以上あった 二階も何部屋あったのか

来客も多く 20〜30人居たこともある

父 たけし 25歳 雪が舞い散る中 恋に落ちた

街中を歳の離れた弟と歩いていた20歳の母 みきこ に一目惚れした


ドキッ


なんて綺麗な女性だろう 色白ですらッと背が高く清潔そうで


すれ違う時 シャボンの香りがした (いい時代ですね)

ナンパ?するわけない  ひたすら街中探し回るたけし

半年後 偶然の再会を果たす

初デートにこぎつけた 場所は公園

ブランコに乗ろうとしたみきこのブランコに 真っ白いハンケチを敷くたけし

みきこはハンドバックを膝に乗せてブランコに乗った 恥ずかしそうに

そっとブランコを押す たけし

両手で鎖を掴み 童心にかえる みきこ

たけしは 夢を見ているようだった

そして 雪の花が舞い降りる頃 二人は結婚した

たけし26歳  みきこ21歳

若い二人は輝いていた 

結婚式 外には二人を祝福するかのように ひとひらの雪が舞い降りた(了)


本日も最後までお読みいただきありがとうございます

こちらは 私の両親のラブストーリーです

生前の母から聞いた話しを まとめてみました

父は52歳の若さで亡くなりましたが 母は再婚することなく

二夫に見えずを貫き 父の元へと昇っていきました

両親が喧嘩してるのを みたこともないです

両親とも 若くして旅立ちましたが きっと天国でも仲良しでしょう

母は来世も たけしさんと 一緒になりたいと言って息をひきとりました

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ありがとうございます 励みになります

今日も皆様が お健やかに お幸せに 過ごせますように

心から お祈り申し上げます

恋はするものではなく落ちるもの ♡






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