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mizuki lui
2024年9月6日 05:17
月刀
陽光が東の地平に這い広がろうとする刹那終わりの近い暗闇に、巨大な剣の切っ先が光を放つ見上げるたびに響くエッジ闇を裂く閃光の軌跡もうすぐ終わる、この不安と苦しみ、そう、君がいるから遥か高みで、待ち望むがいい、僕もすぐ行くわかるだろう? 奴らは佇むほかない。君の気配は、くだらない恣意など絶対に寄せ付けはしないもうすぐ終わる、この不安と苦しみ、そう、君がいるから遥か高みで、待ち
2024年9月3日 04:45
コーヒーナッツ
まずいコーヒーと、ナッツそんないつもの組み合わせそれしか今の僕にはない。それで十分といえばそうなんだけど世界の中の僕そんな無意味な視点さえなかったら、もっと楽になれるのに今を生きる炎が欲しい今を生きる炎が欲しい
2024年8月31日 06:43
もう一人いる
胃がんで死んだ親父が死に際に言ったんだ右手で胸を押さえながら、ここにもう一人いるってそのときわかったんだ人はなぜやり直せるのか失うことを恐れるなそいつはいつもそばにいる間違えたっていいそいつがそう教えてくれるそいつの声を聴け、従え、そして進めそいつはいつもお前のすべてを許すから
2024年8月30日 07:34
秋の雨
秋の雨秋口の昼下がり、厚い雲が空を閉じて、細かな雨が広場の木々を濡らす他人の思考、思惑の群れの中埋没しかけている今の私でもわかるそれでもかまわないって閉塞的な雰囲気が、雨を凌ぐ木々の輪郭に明確な佇みを与えているそうなんだ私にはわかるあの木々がもつ葉の一枚ほどの強さがあれば、それでいい
2024年8月4日 11:44
石ころ遊び
学校が嫌で、クラスが苦手で、ほとんど先生の言いなりで、休み時間、校庭の隅に隠れて、一人でやってた石ころ遊びどんな遊びだったっけ?でもそのときの気持ちは今もリアルで、僕にしか分からないことだけど、ひとりぼっちになりたかったわけじゃない僕はただ、僕の気持ちのそばにいたかったただ静かに、光る石ころを見ていたかった先生に見つかると、無理やりみんなの輪に組み入れられる僕の安心は