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小ネタ:カレーが海上自衛隊の推しになった歴史

 海軍カレーというと今では、一般に広く知られたネーミングです。
 
 一昔前は、海軍カレーという名称よりも家庭食として広く、カレーとして親しまれていました。
 
 実際のところ、海軍カレーというネーミングが定着したのは1999年に海軍の街である横須賀が地域活性化を図るために「カレーの街よこすか推進委員会」が発足し、2001年、舞鶴海兵団が発行した「海軍割烹術参考書」にあった調理法を忠実に再現した「よこすか海軍カレー」が誕生したことが契機だったようです。
 
 初メ米ヲ洗ヒ置キ牛肉(鶏肉)玉葱、人参、馬鈴薯ヲ四角ニ恰モ賽ノ目ノ如ク細ク切リリ別ニ「フライパン」ニ「ヘット」ヲ布キ麥粉ヲ入レ狐色位ニ煎リ「カレイ粉」ヲ入レ「スープ」ニテ薄トロヽノ如ク溶シ之レニ前ニ切リ置キシ肉野菜ヲ少シク煎リテ入レ(馬鈴薯ハ人参玉葱ノ殆ンド煮エタルヰ入ル可シ)弱火ニ掛ケ煮込ミ置キ先ノ米ヲ「スープ」ニテ炊キ之ヲ皿ニ盛リ前ノ煮込ミシモノニ塩ニテ味ヲ付ケ飯ニ掛ケテ供卓ス此時漬物類即チ「チャツネ」ヲ付ケテ出スモノトス— 海軍割烹術参考書 1908年(明治41年)
 
 現在は海上自衛隊の推しとして「海自カレー」と呼ばれていますが、「海軍カレー」と異なり、各艦艇・陸上部隊ごとに独自のレシピで調理されており、海上自衛隊のホームページでもレシピが紹介されています。
 
 また、小話として海自での金曜日のカレーライスは海軍からの伝統という話を聞きま
 
すが実際は違うと言われています。1977年に海上自衛隊に入隊し海上幕僚長や統合幕僚長を務めた河野克俊氏は、「海上自衛隊ではもともと、土曜の昼食がカレーであった。土曜の午後は休みになるため昼食の調理を簡単に済ませる必要があり、カレーがその条件に合っていたからである。その後、土曜が休日になったので、土曜昼食のカレーがスライドされて金曜昼食のメニューとなった。航海中でも曜日を忘れないように金曜日または土曜日にはカレーを供したというわけではない。」と語っています。
 
 「海軍カレー」と「海自カレー」の歴史は諸説ありますが、カレー自体に罪はありません。
 
 みなさん、今晩の夕食はカレーにしませんか?
 
ちなみにのお話♪
【横須賀海軍カレーの定義】
  よこすか海軍カレーは日本のカレーライスのルーツであることから、基本的には「レトロ」、「昔なつかしいカレー」を特色とする。
原則は、海軍割烹術参考書(明治41年)のレシピに基づき調理したものであるが、下記の条件をクリアしていれば「よこすか海軍カレー」の名称を使用できることとする。

材料:カレー粉、小麦粉、肉(牛肉または鶏肉)、人参、玉葱、馬鈴薯を入れる事。
調理法:カレー粉、小麦粉を炒ってルーを作ること。
提供法:原則として、カレーライス、牛乳、サラダの3点セットで提供。薬味にチャツネを付けること。
(横須賀市HPより抜粋)

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