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キャリア的視点195 -邪魔だと思う人、手を挙げて:学校教育現場の光と影-

毎日ブログ 195日目(2020/9/10)

「先生が怖い…」

先日(9/8)、学校教育の現場から、とても残念な知らせが入りました。私はニュースでみた方ですので詳細は分からないのですが、子供を持つ親としてとても残念に思います。


みんなと仲良く同じ教室で授業を受けていた支援学級の子供が騒いでいた時に、担任の先生がクラスの子たちに声をかけました。

「うるさいと思う人、邪魔だと思う人は手を挙げてください」

しかも手を挙げない児童に対しては、

「あなたも支援学級にいきなさい」

とまで発する始末だったとか…

この事が発覚したのは、その場にいたクラスの子が、
「先生が怖い…」
と学校を4日休んだ事で、話を聴いた親が学校に連絡した事によるそうです。

この事件を聞いた琉球大学の丹野教授の話を読みました。

「この出来事には光と影がある」

今日は私がこのニュースを聴いて感じた事を書かせてください。


3つの影と1つの光

「この出来事には光と影がある」という教授の話をまとめると以下の様になります。
3つの影をみてみましょう。

1.支援が必要な子供が『なぜ騒ぐのか』を教員が理解しようとしない事。
 その理由は様々で、嬉しいから騒ぐことだってある。
2.担当の児童たちに、自分の価値観や考えを押し付けた事。
「うるさいと思う」のは担任の先生の感情である。それを押し付けるようなことは明らかに行き過ぎだ。
3.学校側における支援が必要な子のサポート体制は十分だったのか。
 そのために担任の先生に負荷がかかり、冷静さを失うこともあるだろう。学校や教育委員会は先生を追い込まない体制を考えて欲しい。

確かに、この3つの問題点は今後、2度と同じ様な事を起こさないために考えるべきことです。いうまでもなく日本全国でです。

対して1つの光の方は…

教員の行動を「おかしい」と感じ、親に話をした子供の存在。
こうした児童の行動は、人権感覚がある事を意味する。

先生の行動が気持ち悪いと感じ、親に促されて話したのか、自分から話したのかはわかりませんが、親も子供の話をちゃんと信じて、受け止めることができたのは、2つ目の光の様にも感じます。

もちろん私は丹野教授とお会いしたことは一度もありません。ですが教授の言葉には深く共感いたしました。

ニュースに書かれていない部分としてどうしても気になるのが、子供達へのフォローです。
今回の件で、子供たちは先生に対する恐怖心、不信感を覚えてしまったのではないでしょうか。子供たちの心のケアは最優先で、かつ丁寧にやって欲しいと思います。


ハンデキャップは個性です

40年以上も前の話で比較しても仕方がないのですが、私が通っていた小学校にも、支援が必要な子は通っていました。
しかし、そのような子たちは全学年で一つの教室に集められ、私たちは同じ教室で学ぶ機会はありませんでした。
隣にいる存在、という認識は当時の私は持っていませんでした。

そんな私も現在に至るまでに、様々な場(プライベートでも、仕事の現場でも)で、様々な支援が必要な方たちと触れ合う事が出来ました。

彼らは当たり前に人生を愉しんでいます。
25年前、ライブ会場に聴覚にハンデを持ったグループがいて、一緒にリズムに乗って楽しみました。下腹部に来る重低音で音楽を感じていた様です。

5年前、生まれつ左手首が動かないハンデを持った子が、組み立て仕事の現場に来て私が担当にもなりました。彼女は口も足の指も使って、蝶々結びも簡単にできます。
おかげで私は「障がい」と言う言葉が嫌いになれました。全ては個性です。

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それを思うと現代は、「全ての教科で」ではないでしょうが、子供たちも個性的な子も、お互いに触れ合い、刺激を共有することができているのだと思います。

長男の小学校1年生の入学式の時の話です。長男のクラスには一人の個性的な子がいました。
隣にいた子が椅子に座る時や、教科書などをカバンに入れる時など、率先して一緒に行っていたのをみて、嬉しくなったことを覚えています。

確かに「光」は多くの子に育まれています。


7.4%

現代の日本には多くのハンデを持った方が一緒に暮らしています。その人数は総勢で9,366,000人(2018年)とも言われています。これは全国民の7.4%です。しかもこれは「数字に表れている」人数であって、無自覚な人などの顕在化していない人も合わせればさらに増える数字です。

私達の周りを見渡せば、どこかにハンデという個性を持った方はいらっしゃるという時代に入っています。
そんな中で私たち一人一人にできる事とは何でしょうか?

私は「当たり前に隣にいる」ことなのだと思います。隣にいて、自分でできる事は見守り、出来ない部分だけ最小限で支援する事だと思います。最小限の支援にすることで、本人のできる事を増やしていく。彼らの可能性を信じることだと思います。まさに個人個人の個性の様に多様化しているハンディキャップのひとつひとつに寄り添った支援が求められています。

キャリアコンサルティングの現場で、仕事の悩みを解決するのはクライエントさん本人です。私たちは、本人の可能性を信じて最小限の支援をして行くのと同じことです。

手を取り合う

今一度考えてみましょう。

あなたの周りにいる、それはハンディキャップの有無に関わらず困っている人に対して、改めて何ができるのかを考えてみませんか?



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