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#50 自己肯定はさりげない日々の愛情から形作られるのかも


【要注意】この記事はちょっと恥ずかしいことを書きました。人はこれをノロケとも呼ぶらしいです。そういうのが嫌いな方は読まないでね。


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20余年をイギリスで暮らし
社会にもちゃんと馴染んできたつもりで、
三人の子育てもほぼ終わりが見えていた
そんな頃にプツンと働けなくなってから、2年近くがたとうとしている。

名前をつけて安心するのはあまり本意ではないけれど、適応障害ということだったと後になって、納得した。


2年は長いなあ
確かに甘えているのだろうな。
でももう朝、仕事だと思ったとたんにトイレに何度も走るのとか、
仕事のことを考えただけで腰が痛くなることを騙し騙し続けるのが辛くなったのだ。

職を失ったけれど、Job Centre (職安) には行けなかった。
働く気もないのに、斡旋された仕事に応募し、面接をすっぽかしながら生活保護を受け続ける人がたくさんいるという話を聞いていたから。

まだ仕事に行ける気がしないのだから、求職することが条件である生活保護を求めることはできない。


私は今、全体重を夫に支えてもらっているが、その体重がどれだけ増えたか、ってことも書かねばならない。

仕事をしている間は体重はずっと変わらなかった。だが心身が健やかだったわけではないことは、今ならわかる。本当にもう駄目だ、となる前の数年は会う人ごとに「また痩せた?」と心配された。

更年期を超えた方ならわかるかもしれない。以下、その説明を載せるが、そんなこと知ってるよという方はどうかすっ飛ばしてください。


更年期障害は「更年期に現れる多種多様の症候群で、器質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と定義されています。
 発生機序は加齢による卵巣機能の低下、特にもエストロゲン(女性ホルモン)の分泌衰退、中枢からのゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)分泌が著しく増加するなど、視床下部・下垂体・卵巣系のフィードバック機能などのホメオスターシス(平衡)の維持が卵巣機能の低下とともに崩壊します。
 一方この年齢時期の女性は社会的にも職場自宅周辺との複雑な人間関係とか責任の増大、配偶者がかまってくれなくなるなど社会心理的ストレスが増大します。また生理不順とか老化を意識する時期でもあり、そこには性格もある程度関係しますが心因的または環境的要素と女性ホルモン失調・分泌の低下が複雑に絡み合って自律神経の失調をきたし発生するということになります。
 「自律神経失調症」は女性に限ったことではなく、また発症年齢も中高年とは限りません。中高年の自律神経失調症ももちろんありますが、更年期障害とは発生機序でエストロゲンの関与が有るか無いかで区別出来ます。
 「更年期障害」の症状としては自律神経失調症と同じ「不定愁訴」といわれるさまざまの症状を呈します。主なものとしては、イライラする・ボーッとして気分がすきっとしない・肩が凝る・だるい・めまいがする・ほてる・集中できない・なんとなく自分の体で無いような感じがするなど多岐にわたります。
 この他にも多種多様の症状がありますが表現に苦労するくらいです。
小見 克夫(水沢市・産婦人科医師) 胆江日日新聞社より


女性のホルモンバランスが極端に乱れる時期には、もうこれまで体が自然にやってくれていた恒常性を維持してくれない。新陳代謝も以前のようにはできなくなってしまった。

28歳で体のラインに合わせて、ウエストを詰めてもらったワンピースがある。イギリスで結婚披露宴をした時に着た思い出の洋服だ。
もう似合う似合わないはともかくとして、それを2~3年前までは着れたのに、今は太ももすら入らない(笑)

10㎏体重が増えるとはこういうことだ。
ここ数年でどれだけ体の形が変わったかを思う‥‥

今の私はすこぶる健康にまあるくなっている。


女性は辛いね。出産とともに激しく乱れたホルモンのせいで、産後太りをする人も多いが、これもちゃんと理由のあることだから、男性は本当に理解して寄り添ってあげてほしいと思う。


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同い年の夫は、とっくに頭も禿げているし、老眼鏡を掛けなければ何を食べているのかわからないと笑う。

ふたりでご飯を食べている時だった。

どちらからともなく、一緒に歳をとってきたよねという話になった。

「ミズカは髪がたわわにあって、ほんとうにラッキーだよ」という夫。

「そうかな。ハゲも悪くないよ」

「若い頃は私も可愛らしかったんだよね。あの頃それに気づいていればよかったな」‥‥なんて私が言ったら、


「僕はね、今でも同じ君の姿を見ているよ。一緒に歩いた時間のなかでゆっくり温めてきたよ」と夫。
その目には涙が浮かんでいるではないか‥‥


「初めて君を見た時。‥‥結婚式を挙げて初めて僕のものになった君を見つめた夜。‥‥出産の時。授乳する君。‥‥ずっと同じ君をみている。」‥‥夫の顔がみるみる歪んでいく。

『なにご飯中にふたりで泣いてんの‥‥』

『しかも夫、詩人だよ』


私達は今、感傷的になっている。最後の子どもが初めて家を離れる日が近づいているからだ。ここに書いたあの神様からの授かりものである。しかも世界が流行り病に脅かされるなか、地球の反対側に送り出すというのだから‥‥

結婚って不思議だ。 それから、歳とるとどうしてこんなに涙もろくなるんだろう‥‥


今の私たちはけっこう弱い個同士、自分に自信がなくて、社会的評価なんか求めるべくもなく、ちょっと傷ついている個同士。かっこよくない大人同士。
でもふたりには若くてキラキラした時もあったし、何より、手を取り合ってちいさな家族の歴史を作ってきたんだね。


今、夫が守ってくれている安心感と、

時に、このままでは人間失格か・・・という不安とのせめぎ合いがある。

そんな私に「それでもいい」と言ってくれるかのように、

夫は今朝もマグカップ一杯のミルキーなコーヒーを運んでくれる。

『私の幸せ (Happiness) は、ここに集約されていた』


それに気づいて、ここに書き留めた。
細かいこともいっぱい言う、嫌~な奴、って思うこともあるけれど、それはお互い様だろうし
のんびり家にいる健康な妻に、台所で淹れたコーヒーをベッドまで運んでくれる夫は尊い。

それも、毎朝の決まりごとになってしまっていて、彼も止めるタイミングが見つからないのだ、きっと‥‥

ラッキー♪ わたし

これこそを、「自己肯定感」と呼んでもいいのかもしれないと思った朝。




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