【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#45
10 四境戦争(1) 公儀の使者は芸藩に来ていた。まずはと長州側の指導者の召喚を命じていた。木戸が京で薩摩から聞いてきた内容と、変わらないだろう。
長州としても、戦の準備の時間が欲しいので引き延ばしを図るべく、召喚に応じるふりをして、応じないということを繰り返していた。
緊張はいろいろなところに歪みを生む。そのような中で奇兵隊の一部が暴発したときは、抑え込むことに徹した。軍紀の引き締めと関係者の処分で乗り切った。
公儀は最終通告をしてくるというので、宍戸備後助と楫取