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嗚呼、憧れの母子手帳。不妊はつらいよ〜44歳のハローワーク〜

「母子手帳ありますか?」


退職後、不妊治療を行う予定のため、ハローワークへ失業保険延長の手続きに行った。

その際、受付の人から何気なく言われた一言。
「失業保険を、不妊治療で延長ですね。母子手帳はありますか〜。」言葉を発した人は50代位の女性。

正直、辛かった。

以前仕事でお世話になった、奥様が40代で初めて妊娠、出産、、流産経験もある男性から昔
「まず、40代になると、なかなか母子手帳をもらえない。けど、当たり前だと思って。流産もね。気にしたら駄目だよ。」と、アドバイスされていて、私はすごく救われたことがあった。

私には憧れの母子手帳、だ。

「失業保険もらう際は、不妊治療が終わった証明を」

受付後、失業保険延長の窓口へ。

不妊治療での失業保険延長は、病気やけがと同様に延長可能な旨が厚生労働省の案内にある。

不妊治療してる証明書類が必ず必要と事前に案内されていたので、病院で医師の診断書(3,000円程)をもらって、持参した。

診断書含め、失業保険延長申請に必要な一式を受理してくれたのは30歳前後と思われる男性職員さん。

「あ、診断書もらって来てくださったんですね。ありがとうございます。」

(私は内心、不妊治療中の身には診断書もらいに病院に行き来する時間、診断書費用もシンドイなぁと感じていた。公的制度を活用する以上仕方ないのは分かるんだが。私は40代妊活者というマイノリティだから仕方ないのか、なんて、勝手に色々傷ついてしまった。)

手続きの終わり、ハローワークの男性職員さんはこう締めくくった。
「延長は受け付けました。これから不妊治療に取り組まれるミズイロさんに初めからこんなこと言うのはアレなんですが、就職活動を開始して失業保険を受給する際は母子手帳、もし母子手帳がもらえなかった時は不妊治療を終わりにした、と判断が出来る資料を何かご提出ください。」

(不妊治療を終わりにしたと判断出来る資料とは何ですか?可能なら諦めずに何年もやりたい位ですよ、私・・・。)

受付女性にも、男性職員にも、悪気はないんだと思う。仕事だし、事務的に行えば良いんだと思う。ふたりとも、不妊治療について具体的知識も理解もないのかもしれない。

不妊治療は揺れるもの

自分が不妊治療で母親になれる可能性がいかに低く、難しいか、私自身が一番不安に感じ、いつも揺れている。

ハローワークのやりとりでそれがハッキリして、泣けてきた。

勝手に肩身が狭く感じ、傷ついたのは自分なのだ。

不妊治療は「揺れる医療」だと思います。

少子化が問題視されて保険適用化されました
けど、この医療の中心にあるのは社会的意義
ではなく、「子を持ちたい」という患者さんの
「願い」です。

そして気持ちが揺れない患者さんはいない。
出発点が常に揺れている。

おかざき真里『胚培養士ミズイロ3巻』より

不妊治療を始めて以来、読んではいつの間にか号泣する漫画『胚培養士ミズイロ』。
その中で主人公が学会において放った言葉。

この言葉にも救われた。

不妊治療をしていて、落ち込んで、寝込んでしまう日もあったけど、その度、不妊治療は揺れるもの、と自分に言い聞かせる。

これからも揺れは続きそうだけど、大丈夫よ。そういうものなのさ。

▼働いていた頃の不妊治療と仕事の苦労はこちらにまとめています。

課長、今週は採卵なんで休暇申請させていただきます。〜妊活マインドセット 仕事篇〜

▼落ち込んで、乗り越えて。自己流妊活マインドについて書いてます。
四十路、妊活マインドセット〜妊活は婚活と似ている〜

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