障害を持っていても楽しめるゲームコントローラ マイクロソフトの「Changing the Game」【PR研究所062】
eスポーツや室内の遊びなどの文脈でますます盛り上がりを見せるテレビゲーム業界。いつものようにテレビゲームで遊ぶのはやっぱり楽しいですよね。
しかし、その「いつも」は誰しもが平等に得られているとは限りません。マイクロソフトは、障害を持っていても遊ぶことができるゲームコントローラを開発し、機会の平等を目指しました。
コントローラーの名前は「Xbox Adaptive Controller」。カスタマイズできる設計になっており、障害を持っている人でもレベルに合わせて使いやすくすることができます。
大きなボタン配置や、外付けのスイッチなどにより何通りものカスタマイズができるようになっています。
(Xbox公式HPより)
キャンペーン動画では、手に障害のある子でもこのコントローラを使えば遊べるというようなインタビューも掲載されています。
人間の体とコントローラを繋ぐ関係性は、もっと多様なあり方が想定されるということで一つのコントローラをカスタマイズできるようにしたという背景でしょうか。
(余談ですが、人間の体と機械のインターフェースを考えるという視点だと、ドミニクチェン先生が21_21 Design sightで行ってる「トランスレーションズ展」が良かったのでおすすめです。)
(それぞれの操作方法でプレイしています。動画よりスクショ)
PR edgeによると、CMはYouTubeで3,000万回近く視聴されたほか、11億ものインプレッションを獲得したそうです。
ゲームで遊ぶ機会をより多くの人に広めたいというこのキャンペーン。コントローラーに対する意識が変わっていくことが望ましいですね。
PRの事例として注目すべき点は主に2つあります。
1つ目は、マイクロソフトの哲学を体現していることです。同社のビジョンは「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」です。障害を持っている人の中には、コントローラーによりゲームをプレイできないor不便に思っていることに着目し、マイクロソフトのブランドを体現するように進められました。
2つ目は、「Xbox Adaptive Controller」の切り口を状況によって変えていることです。公式HPでは自分好みにカスタマイズできる!というようなコピー。商品自体への分析では、「障害を持っている人でも楽しめる」という風に切り口を変えています。
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