白い月を見上げた今日のはなし。
寒さで縮こまった体をこたつにつっこんだ。はちみつ紅茶のあたたかさと甘さで、お腹の底がふわっと温まって、気持ちも少しだけゆるんだ気がする。
今日は細かい作業(だるま作り)を日がな一日していたから、上半身裏側がガチガチに凝ってしまった。週末の整体までもつかな。
ココロに溜まった発散できないエネルギーをぶつけるかの如く、最近はすごいペースでだるまを作っている。
直接的ではないけれど、体に刺さるようなヒステリックな声を午前中ずっと聞いていたせいで、最近すり減っていたココロはもういよいよだ。
モリモリ食べて、たくさん眠っているから、カラダは回復できる。
でも、もうココロの回復が追いつかない。
そんなギリギリの今日だった。
仕事を終えて歩いて帰る道すがら、ふと空を見たらぽっかりと白い月があった。
白い月を見ると「3月9日」が聴きたくなるように、私はプログラミングされている。
アパートに着くと、ドアの取手に大きくふくらんだビニール袋がぶら下がってて、そこからオレンジと黄色のカーネーションが飛び出していた。
父からだった。
「イヌのエサを買いに近くまで来ました。
ついでに一日早いですが、誕生日プレゼントを扉にぶら下げてきました。」
昼休憩に見た携帯に、そんなLINEが入っていた。
オシャレなお花屋さんではなく、ビニールハウスの隣で花農家さんが直売しているような花束を父はくれる。
ビニール袋からは、しまむらのピンクのラッピングが出てきたけど、中身は重くて固い。
私の名前にちなんだ銘柄のウイスキーだった。
我が父ながら、なかなか粋なことをする。
耳に刺したままのイヤホンからは、藤巻さんの柔らかい歌声が流れ続けていた。
瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい
もう、限界だった。
玄関の上り框の壁に背中をあずけてしゃがみこみ、ひとしきり泣いた。
ここまでなんとか生きてこられた。
19の頃、なんだか漠然と20になれない気がしていた。それと同じ感覚を久しぶりに感じている。
理由はよくわからない。
最近は先のことを考えるのが、心底しんどいおかげで、「今」を生きるのが前より上手くなった。
たとえ今は会えなくても、まぶたの裏にいて、励ましてくれる人がいる。
夜明け前が1番暗い。
「花咲を待つ喜び」を分かち合える人がいることを噛み締めつつ、日々を積み重ねていきたい。
そして、花が咲く頃には、隣でそれを一緒に眺められたら最高だな。
今はそう思う。
26、最後の日。
🌸
最後までお付き合いくださった、あなた。
ありがとうございました。
春瀬
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