地方部にある社会福祉法人が抱く危機感

先日、広島県内にある社会福祉法人のお客様訪問に行ってきました(Tweetはご飯ネタだけでしたが…💦)。

「法人理念を見直したい」というご要望で、職員を巻き込んだワーキングチーム形式で進めていくプロジェクトを始めることになりました。
その打ち合わせで、理事長が「毎年500名は人口が減少していく地域だからこそ、社会福祉法人としての生き残りをかけた存在感のある理念にしていきたい」といった趣旨のことを仰られていたことが印象に残りました。

高齢、障害、児童、母子という多様な福祉サービスを提供している法人だからこそできるセクション横断的な面展開での福祉の必要性を理事長は考えられており、セクションごとの専門性に固執しない、言葉遊びにならないよう取りまとめ(ファシリテーション)を期待されていました。

都市部のお客様が中心なので、人口減少の変化や影響はそんなに感じることはありませんでした。
しかし、地方部に行くと、「毎年500名の人口減(毎年、小学校1校が廃校になっているような状況ですよね)」という具体的な数値として結構なインパクトがあるなぁ、と率直に感じました。
それが結果的に、職員や利用者確保の困難さに結びついていることは、想像に難しくありません。
採用面接会を明日に控えておられましたが、応募人数が当初の見立てを下回っているのか、理事長の表情は曇りがちでした。

介護福祉士の養成校の入学者の定員割れが当たり前になり、外国からの留学生専門校に鞍替えする学校も出てきていると聞きますから、地方部においては、人口減少と介護職員の担い手不足のダブルパンチになっています。

人口減少が顕著な地方部こそ、介護ロボットの導入やICT化を急がなければならない状況であるものの、助成金などの公費が回りにくいというジレンマから取り残されかねません。

介護事業所の倒産のニュースについても、都市部の訪問介護の状況についてはTweetしましたが、地方部では利用者の自宅へは車移動が基本となるため、移動の時間的ロスが生じることが経営悪化の要因になっているなど、経営課題の要因も全然異なるわけで、同じ土俵で介護経営を語れない難しさを改めて痛感しました。

社会福祉法人の大規模化を後押しするための「持ち株型(厳密には持ち株ではないので、この表現は誤り)」検討も始まりますから、一法人一施設といった小規模法人の存続の方向性は早めに検討しておく必要があると言えます。


そんな中、「法人理念を見直したい」という言葉に込めた理事長の熱意に共感し、次世代の法人経営を担う職員と共に共感できる法人理念の見直しに着手していきたいと思っています。

管理人


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