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福祉における「デザイン」の視点

noteやTwitterでは、「福祉マネジメント&デザイン」名義で活動をしています。
福祉サービスにも「経営管理という視点(マネジメント)」と「創出・創造するという視点(デザイン)」を持てるような情報を発信していきたいという趣旨で名前をつけました。

「経営管理する視点(マネジメント)」はイメージがしやすいと思いますが、「創出・創造する視点(デザイン)」とは福祉においてどんな意味を指すのか、と思っている方もいるのではないでしょうか。
今回は福祉における「デザイン」という視点について、取り上げようと思います。

「デザイン」という言葉を広義に捉える

先日読み終えた、『CEOからDEOへ-「デザインするリーダー」になる方法』から引用させていただきます。

「デザイン」という言葉の意味では、建築やインテリアなど、物作りのイメージが強かったり、最近では、「デザイン思考」と呼ばれる顧客ニーズを観察し、プロトタイプを作成し、商品やサービスを開発していくプロセスが注目されています。
この書籍では、下記のように「デザイン」という言葉を捉えています。

「デザイン」といえばまず「変化」を連想する。ニーズに対応するための変化、望みを実現させるための変化、一つの目標を目指すための変化、共通の将来像を示すための変化…。教育を受けたデザイナーであれ、生まれながらのデザイナーであれ、デザインする人たちは、集団的な変化を積極的に後押ししている。
(中略)
こうした変化をもたらすデザインの力に気づき、その力を積極的に活かすリーダーたちは、変化の時代でも舵取りができている

「デザイン」という手法を用いて、使いやすくしたり、目標を達成したり、さまざまな「変化」に対応する手段といえます。
後段では、この「変化」に対する適応力ともいえる「デザイン」を駆使することで変化の時代でも舵取りができるといっています。
「福祉マネジメント&デザイン」の「デザイン」においても、未来志向型でいかに理念を実現するために必要な「変化」を引き起こせるかという視点の情報を発信したいと思っています。

また、こうも書かれています。

もしあなたがデザイナーなら、その言葉を自分だけに使うのをやめてみよう。問題解決や新しいコンセプトに貢献した人と共有しよう。「デザイナー」は人やポストを表す言葉ではなく、活動を著す言葉として使用しよう。「デザイン」は、受動的で使い古された名詞ではなく、能動的な動詞と考えよう。

あくまでもデザインするための人やポスト(役職)の人を「デザイナー」と呼ぶのではなく、問題解決や新しいコンセプトを考えるのに貢献した人も「デザイナー」として呼びましょう、といっています。
先述の「変化」を起こすために必要な能動的な活動を「デザイン」と呼ぶということは、組織づくりやサービスの質の向上に向けて何からしらの「変化」を起こそうと主体的に取り組んでいる方々の活動そのものが「デザイン」することであり、それに携わっている方々は皆「デザイナー」ということです。

守りと攻めを「デザイン」する視点

この「デザイン」という意味には、"ディフェンス(守り)"と"アタック(攻め)"の両方の意味が含まれています。
"ディフェンス(守り)"とは経営管理を徹底することで事業の継続性を確立する視点であり、"アタック(攻め)"とは経営基盤を確立した上で理念の実現に向けた組織やサービスを高次化するための「変化」を恐れずに取り組むということです。

特に福祉業界は「変化」を苦手とする文化が強いと感じます。
しかし、「変化」を起こさなければ、何のために"ディフェンス(守り)"しているのかという目的や目標が徐々に弱くなってきます。
ただし、「変化」ばかり追い求めていては、足元がぐらついてしまうので、"ディフェンス(守り)"と"アタック(攻め)"のバランスを取る必要があるのです。

「福祉マネジメント&デザイン」では、マネジメントの視点で"ディフェンス(守り)"を、デザインという視点で"アタック(攻め)"について情報や記事をアップしていきますので、ご期待ください。

管理人

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