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バーチャル無人島にもっていきたい10枚

はじめに

こんばんは、バーチャル音楽系漫談師、水瓶ウオです。

さて、今回のお題は音楽好きなら一度はやりたいけど実際にその状況に置かれたくはないことでおなじみ、『無人島レコード』というやつ。

そもそも『もしも無人島に10枚だけレコードを持っていけるとしたら?』という架空のシチュエーションから始まる問いなのであるからして、もはやこれはバーチャルの無人島でありバーチャル音楽系漫談師の出番なんですよね(?)。

今回のルールですが、

  1. バーチャル無人島に持っていきたいレコード、またはCDを選ぶ。ダウンロード音源や特殊なものは除外

  2. ディスク2枚組の作品は1カウントとするが、3枚以上などあまりに長大なものはできるだけ選ばない

  3. 再生環境は無人島に問答無用であるものとする

くらいの感じですかね。

というわけでさっそく行ってみましょう!

01.東京スカパラダイスオーケストラ『Paradise Blue』

いくらバーチャルとはいえ、いやむしろバーチャルだからこそ?無人島は美しくも心細い場所。インドア派の僕としてはちゃんと人の手が入った別荘なんかがあると嬉しいです。そんなわけで、ログハウスの窓際で聴きたいのはレゲエであってスカであってスカパラ。心の中で最も尊敬するアーティストの最も日常が似合うアルバムを流しながら滞在1日目の夕日が沈みます。これから無人島生活か……ぎゃっ、見たこともない虫が出てきた!殺虫剤どこ!?

02.Bill Evans / Jim Hall『Undercurrent』

無人島2日目、訪れて初めて迎える朝。カーテンの向こうからうっすら透ける朝の太陽で頭の回転数を暖めつつ、最初に流すのはこのアルバムかもしれません。世の中に存在する最も美しいギターとピアノのやり取りですね。このアルバムはアナログでかけておきたいなあ。

03.Manuel Göttsching『E2-E4』

3日目。まだまだ余裕だけどほんのりさみしいので、ロボット同士がチェスをするという設定の電子音楽を聴きながら文明を想います。アンビエントな音の波と波の音が交差する中をうとうと、ゆったり……まどろんでいきます。

04.サニーデイ・サービス『FUTURE KISS』

気付いたら日付が変わっていて滞在4日目の、時間はドがつく深夜。途端に夜が、無人島が怖くなってきて人の声が恋しくなります。そんなときに持ってきてよかったこのアルバム。無邪気な幼稚園児たちの前でサニーデイ・サービスお兄さんたちが演奏した記録です。ほどよく脱力したアクトと半分関係なしに騒ぐ園児たちにほっこりさせられること間違いなし。これで不安な夜も乗り切れそうです。未来にキスを。

05.Mike Oldfield『Amarok』

さあ無人島生活も折り返し。なんで10日も滞在することにしたんだとそろそろ後悔していることでしょう。そこで最終兵器の投入です。プログレが誇るワンマン・オーケストラ、マイク・オールドフィールドによる60分1曲の一大絵巻。前述の『E2-E4』が静かな1時間だとすればこちらは動の60分。30秒と同じ展開が続かないほど忙しない音楽は知のエクストリームミュージック。しゃきっとせえ。シャッキリポンとするはずです。疲労はポンと飛ばしちゃダメ。

06.Smashing Pumpkins『Mellon Collie And The Infinite Sadness』

ここらでやっぱり2枚組もキメておきたいですよね。『先生、バナナはおやつに入りますか?』のムジレコ版です。90年代オルタナの定番を聴いて不足していたバンドサウンドをガッツリと補充しつつ、甘く切ないメロディに酔いしれるのです。そしてメロンコリーはメランコリーと何が違うのかとぼんやり考えるのです。

07.Miles Davis『Quiet Nights』

せっかく海が見える無人島にいるのですもの、ボサ・ノヴァのひとつも聴きたいですよねと言いながらよりにもよって取り出したるのはこちら。マイルスがギル・エヴァンスとともにボサ・ノヴァに挑戦して失敗した(ということになっている)アルバムです。とはいえジャズ嫌いで有名だった(らしい)かの坂本龍一が愛したアルバムとしても知られるらしく、このどこか繊細すぎる美しさは仮想現実の無人島を美しく彩ってくれる気がします。

08.MOSAIC.WAV『Future-Fiction AKIBA-POP!!』

なんだかんだ一週間を過ぎました。ホームシックであたまがおかしくなっちゃったんでしょうね。そんなときのためにもちゃんとアルバムを用意してありますよ。MOSAIC.WAVのアキバ・ポップを聴いて歪んだ現代日本の縮図を感じながら帰宅日に思いを馳せます。「みなみのしまのふろーね」ってそういう歌だった気がする。違うかもしんない。

09.GONTiTi『Live』

もはやここはリゾートではありません。僕は一刻も早く帰りたい。大体どんなところでも一週間滞在すると家に帰りたくなるものです。そんな自宅と無人島をつなぐようなゴンチチのアコースティック・ライブを聴きながらそういや丸一日滞在するのも今日が最後か……とそれでもいくらかセンチな気持ちになったりします。

10.Perfume『Complete Best』

なんと大変、仮想現実である無人島に小さな歪みを見つけたと思ったら少しずつ崩れていくではありませんか。まさに今聴いていたPerfumeの「エレクトロ・ワールド」そのままの展開に慌てて島からログアウトします。仮想の楽園、バーチャル無人島はそうしてバグの中に飲み込まれていき、僕もあやうくその中にいたのかもしれないとハートバクバクのまま家に戻ってきたのでした。イエーイ。

 
って、最後はちょっと遊びすぎた気がしますけど、こんな無人島の10枚いかがでしょうか?みなさんも『バーチャル無人島』に持っていく10枚、良かったら考えてみてくださいね。お相手はバーチャル音楽系漫談師、水瓶ウオでした。

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